この記事を書いている私は、2020年1月からChromebookを使用しています。
使用機種は、Lenovo Chromebook S330。
入門モデルながら、コスパの高い一台です。
オフライン環境下のChromebookにできることは、Google公式のChromebookヘルプページにまとめられています。公式ヘルプページの内容を要約すると、下記のとおりです。
- Gmailの閲覧、返信メール作成、検索
- 映画、音楽、ゲームを楽しむ
- メモの作成(Google Keep)
- Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライドの表示、作成、編集
- 写真の表示と編集
- 保存したwebページの閲覧
当ページでは、上記の中から、
- 音楽再生
- Googleドキュメント
- メモ(Google Keep)
の3項目について、オフラインのChromebookでどのように動作するか、具体的に検証していきます。
この記事を書いている私は、Chromebook使用歴400日以上のChromebook愛好家。今回、実際にオフラインの動作を検証してみたところ、面白い発見もありましたよ。
少し長くなってしまったので、お茶でも飲みながら、ごゆるりとお読みください。
(´・ω・) _旦~~
オフラインのChromebookで音楽再生

はじめにオフライン環境におけるChromebookの音楽再生について、検証します。
先ほど確認したとおり、オフラインのChromebookでも音楽を楽しむこと自体は可能です。オフライン環境のChromebookで音楽再生する方法として、Chromebook公式ヘルプページでは、次のような説明がされています。
オフラインで音楽を聴く
Chromebook 版 YouTube Music はオフライン再生に対応していません。オフラインで音楽を聴くには、次のものが必要です。
Chromebook をオフラインで使用する – Chromebook ヘルプより引用
– Android 版 YouTube Music アプリ。
– YouTube Premium サブスクリプション。
– 音楽をダウンロードしてオフライン再生する方法をご確認ください。
補足すると、上述の公式ヘルプページ内でオフライン環境での音楽再生に関する情報は、上の引用部分「だけ」です(2021年2月23日現在)。つまり、

オフラインのChromebookで音楽を楽しみたいなら、YouTube Musicのプレミアム版を利用するしかないよー
と読み取れますよね。
でもここで、ふと疑問が浮かびました。

別にYouTube Musicは不要なのでは?
SDカードにmp3データを入れれば、オフラインでも音楽を再生できるのでは?
このような疑問が浮かんだ理由は、ChromebookはCDを取り込みできません【根拠+代案を提示】の記事を書いた際に、SDカード内のmp3ファイル再生に成功していたからです。
当時はオンライン環境での再生でしたが、ChromebookにSDカードを挿しさえすれば、オフラインでも同じように音楽を再生できるだろうと思いました。
そこで今回は、オフラインでもSDカードから音楽を再生できるのか、実際に検証してみます。

〜検証開始〜
〜検証中〜
〜検証終了〜
はい、できました。
ChromebookにSDカードを挿し込み、デフォルトのファイルアプリでSDカード内のmp3ファイルをクリックしたところ、オフラインでもかんたんに音楽を再生できました。

上図のとおり。
ネット未接続の状態で、音楽を再生できていますね。
同様に、「SDカード」ではなく「Chromebook本体」にmp3ファイルを保存した場合でも、オフラインで再生できました。
こうなると、なぜChromebook公式ヘルプページに、ローカル(=SDカード、Chromebook本体など)から再生する方法が示されていないのか気になりますね。
うーん…
ちょっと作為を感じてしまいます。。
ともあれ、Chromebookを使ってオフラインで音楽再生したい場合、必ずしもYouTube Musicプレミアムに課金する必要がないことが分かりました。
Chromebook本体などのローカルストレージにmp3ファイルを保存すれば、オンラインでもオフラインでも、すぐに音楽を楽しめます。
オフラインのChromebookで文章作成(Googleドキュメント)

Chromebookは、オフラインの状態でもGoogleドキュメントを使って文章作成できます。結論からいうと、オフライン版のGoogleドキュメント、想像以上に快適です。
オフラインでGoogleドキュメントを使うためには、少しだけ設定が必要になります。設定手順は、下記のとおり。
- Chrome拡張機能「Google オフライン ドキュメント」を入手する
- Googleドライブを開く
- 画面右上の「歯車アイコン」→「設定」をクリック
- 「全般」タブの「オフライン」項目にチェックを入れ「完了」をクリック
これで、オフラインでもGoogleドキュメントを利用できるようになりました(拡張機能「Google オフライン ドキュメント」は、デフォルトでインストールされている可能性があります)。
オフラインで利用可能なGoogleドライブの関連ツールは、次の4つです。
- Google ドキュメント
- Google スプレッドシート
- Google スライド
- Google 図形描画

上図のとおり。
4つ以外のツールはグレーアウトしているので、クリックできませんね。
今回は4つの中から、Googleドキュメントのオフライン使用について見ていきます。それでは、オフラインでGoogleドキュメントを起動してみましょう。
Googleドライブ画面の左上「新規」→「Googleドキュメント」をクリックして起動すると、オンライン時には出てこないメッセージが表示されました。

ここでファイル名を入力するんですね。
なお入力したファイル名は、オンラインに復帰するまで変更できないようです。
ファイル名を決めたら、いよいよGoogleドキュメントで文章作成できます。

上の画像は、オフラインで作成したGoogleドキュメントです(わかりやすいように背景色を青色に変更)。見た目はオンライン時と区別がつきません。
けれどメニューバーのプルダウンメニューを開くと、利用できない機能がたくさんありました。
参考までに、7つの各メニューを開いたときの画像を載せておきます。濃い黒字の部分、グレーアウト(薄い灰色の字)の部分を見比べながら、オフライン時におけるGoogleドキュメント機能をチェックしてください。
1.「ファイル」メニュー

2.「編集」メニュー

3.「表示」メニュー

4.「挿入」メニュー

5.「表示形式」メニュー

6.「ツール」メニュー

7.「ヘルプ」メニュー

一部、見づらくてすみません。m(_ _)m
中には、オフラインと無関係にグレーアウトしている機能もありますね。
ひと通りGoogleドキュメントを動かしてみたところ、かんたんな文章作成であればオフラインでも十分使えると思います。文字サイズ・文字色・フォントの変更や箇条書きなど、基本的な文章作成機能はカバーされています。
画像の挿入については、Chromebook本体に保存済みの画像であれば、Googleドキュメントに挿入できます。しかしGoogleドライブやGoogleフォト上の画像は、残念ながら挿入できませんでした。
またユーザー側が操作しなくても、データ保存はリアルタイムに自動的に行われるようです。Googleドキュメントを終了しても、Googleドライブから再びファイルを開けば、先ほどまで書き進めたところまでしっかりと保存されていました。
なお、オフラインのままChromebookをシャットダウン→再起動しても、Googleドキュメントのデータはしっかり保存されていました。Googleドキュメントの「データ保存」に関しては、オフラインでもユーザーが気を配る必要はなさそうですね。地味にありがたい。
一つ気になったのは、Chromebook再起動後のGoogleドライブが開くまでの時間です。
通常(オンライン)時には10秒ほどで立ち上がるGoogleドライブですが、オフラインでは完全に開くまでに3分以上かかりました。オフラインでGoogleドライブを開くときは「いつもより時間がかかるものだ」と、おおらかに構えておいた方が良いでしょう。
以上を総括すると、Googleドキュメントはオフラインでも、通常と変わらない感覚で文章作成できると思います。
オフラインのChromebookでメモ(Google Keep)

Chromebookは、オフライン環境でもGoogle Keepを使用できます。実際にオフラインで動かしてみたところ、いくつか注意が必要な点がありましたので、情報を共有します。
早速一つ目の注意点ですが、オフラインでGoogle Keepを使用するためには、あらかじめオンラインの状態でGoogle Keepを起動しておかなければなりません。オンラインでGoogle Keepを立ち上げてメモの同期が完了してから、オフライン環境に移りましょう。
というか、オフラインでGoogle Keepを開こうと思っても、エラーメッセージが表示されて起動できませんでした。オフラインでGoogle Keepを使おうと思っている人は、事前にオンライン環境で起動する作業をお忘れなく。
オフラインでのGoogle Keepの挙動を検証します。
実際に触ってみてわかった、オフラインのGoogle Keepでできること・できないことは、下記のとおりです。
- 新規メモの作成
- チェックボックス(箇条書き)メモの作成およびチェック
- ラベル設定
- 背景色の変更
- リマインダー設定およびリマインド通知
- 共同編集者との共有設定
- Googleドキュメントにコピー
全機能を試したわけではありませんが、基本的なメモ作業であれば、オンラインと同じ感覚でできそうですね。
対して、「共有」や「他サービスとの連携」といったネット接続を要する作業は、オフラインではできませんでした。まぁこれはオフラインなので、当然ですね。
そして最大の注意点ですが、オフラインでメモを作成した後は、Google Keepを終了しないように注意しましょう。作成したメモが、失われてしまいます。
オフライン状態のままGoogle Keepを閉じようとしたら、次の警告メッセージが表示されました。

オフライン時に作成したメモを保存するには、オンラインに復帰するまでずっとGoogle Keepを立ち上げておく必要があるようです。
ちなみに、オフラインのままChromebookを放置して「スリープ → 画面ロック」としても、Google Keepを立ち上げている限り、メモは消えませんでした。
データ保存の観点で「Googleドキュメント」「Google Keep」を比べると、Google Keepの方が少し劣っているかなという印象です。
以上、オフラインのChromebookでGoogle Keepの利用について総括すると、下記のとおりです。
Chromebookがオフラインであっても、Google Keepは、ほぼ通常通りメモできる。ただし次の2点に要注意。
- 起動時にオンライン接続が必須
- 作成したメモを保存したいときは、オンラインに復帰するまで起動状態をキープする必要がある
オフラインのChromebookでGoogle Keepを使う際は、「初め」と「終わり」に気をつけましょう。
以上、オフライン環境下のChromebookについて、音楽再生、Googleドキュメント、Google Keepの3項目を詳細に検証してきました。
長かったですね。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。m(_ _)m
Chromebookの”オフラインでできること”は実用的?

Chromebookのオフライン使用について、実際に検証しながら確認してきました。
音楽再生、Googleドキュメント、Google Keep。オフラインでは注意点こそあるものの、オンラインに引けを取らない、充実した機能が担保されているように感じました。
なのでページのまとめとして、「たしかに多少の制限はあるけど、オフラインでもChromebookはわりと快適だよ!」と締めくくろうと思っていたのですが、最後にまさかの事態が。
実はこのページを執筆中、オフラインの動作検証をしていた最中に、Chromebookがフリーズ→強制再起動する悲劇に見舞われました(泣)。
未保存のGoogle Keepメモは、問答無用で消失。10分間の作業内容とグッバイする程度のキズで済んだのは、不幸中の幸いでしょうか…;
Chromebookユーザーあるあるかと思いますが、普段オンラインでChromebookを使っていると、クラウドサービスの自動同期に甘えてしまいます。つまりChromebookユーザーは、自ら能動的にデータを保存する意識が希薄になりやすいと思うんですよね(私だけかな)。
また、安めのChromebookは性能が抑えられています。なので、しばしばフリーズしがち。
こういった要素が相まって、Chromebookのオフライン作業ではデータが消失しやすいことも、今回の検証で(予期せず)明らかになりました。
Chromebookのオフライン作業時は、データ消失に十分ご注意ください(自戒)。
当ブログがChromebook購入検討の参考になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。