
Chromebookを買いたい。でもofficeが使えないらしいし、やっぱりWindowsの方がいいかな。…本当にofficeが使えないなら、Chromebookユーザーはどうやって文章作成してるの?
こういった疑問に答えます。
- 「office」の意味と種類
- Chromebookで使えるofficeツール
- ChromebookでMicrosoft Officeを使う方法
この記事を書いている私は、Lenovo Chromebook S330を、400日以上使っています。
Chromebook購入当時を振り返ると、「え?ChromebookってWord使えないの?ダメじゃん」と考えたことを、なつかしく思い出します。
しかし今この文章は、Wordを使わずにChromebookで作成しています。

上図のとおり。
使用ツールは「Google版Word」ともいえる、Googleドキュメントです。
このページではChromebookとofficeの関係について、詳しく解説しています。
Chromebookとofficeの関係性がイマイチ「?」な人は、多いはず。一つひとつ確認しながら、丁寧に情報を整理していきましょう。
Chromebookはofficeを使えない?

Chromebookはofficeツールを使えないのでしょうか?
結論からいうと、Chromebookでもofficeツールは使えます。
はじめに、そもそもofficeとは何か?から理解しましょう。
officeとは?
officeとは、ビジネス支援ツールの総称です。
officeソフトやofficeツール、office製品なんて呼ばれることもありますね。文書や表計算、プレゼン資料などを作成するときに用いられます。

うんうん知ってるよ。
つまり、WordとかExcelでしょ?
そうですね。
たしかにWordやExcelは、officeツールの一つに間違いありません。
けれど厳密にいうと、WordやExcel、PowerPointは、Microsoft Officeの一つです。
世の中に普及しているパソコンの多くは、Windowsですよね。Windowsとは、Microsoft社が提供するOS(=パソコンを動かすシステム)のこと。そのWindowsに標準搭載されているofficeツールこそ、Microsoft Officeです。
日常生活の中では「office=Microsoft Office」の認識でいれば、特に問題なくコミュニケーションをとれます。けれどあなたは今、Chromebookを買おうとしていますよね?
Chromebookは、Windowsではありません。
ここで「office=Microsoft Office」という誤った理解のままChromebook情報を集めると、

…??
よう分からんな(スピー)
となってしまうのです。
WordやExcelは、あくまでMicrosoft Officeの一つ。
officeツールには、Microsoft Office以外のものもあることを、理解しておきましょう。

なるほどー。たしかに「office」について、ちゃんと考えたことはなかったな。
それじゃあMicrosoft Office以外には、どんなofficeツールがあるの?
主なofficeツールは、下記のとおり。
- Microsoft Office
- Google Workspace(旧称:G Suite)
- LibreOffice
- WPS Office など
まだまだ、たくさんありますよ。

へー色々あるんだな。
ネットでたまに見かける「MS Office」ってのは?
MS Officeは、Microsoft Officeの略称です。つまり
MS Office = Microsoft Office
ですね。
IT用語は別称・改称が多くて、わかりにくいんですよね…。
図にまとめると、次の感じ。

(電気の存在感たるや…)

なるほどね、ぼんやりと全体像が見えてきたよ。
それじゃあ結局、Chromebookで使えるofficeツールって何?
Word、ExcelとかのMicrosoft Officeは、Chromebookじゃ使えないの?
それでは、Chromebookで使えるofficeツールを確認していきましょう。
Chromebookで使えるofficeツール

Chromebookで使用できるofficeツールについて、見ていきます。Chromebookで使えるofficeツールは、クラウド上で操作できるものと思っておけば、大体オッケーです。
Chromebookの特徴は、データをクラウド(インターネット)上に保存する点にあります。一部の例外を除いて、Chromebook本体にアプリやソフトをインストールすることは、まずありません。
officeツールに関しても同じで、Chromebookで文書作成や表計算をやろうと思ったら、基本的にオンライン上で作業することになります。
Chromebookでofficeツールを使おうと思ったとき、最も相性が良いのはGoogle系のサービスです。その理由は、
- Chromebookの開発元がGoogleだから
- Google系officeツールは、クラウド上で操作するタイプだから
上記のとおり。
Googleドライブから直接Googleドキュメントを開けるなど、ファイル管理がラクですよ。
具体的には、先ほど紹介したGoogle Workspace(旧称:G Suite)を使います。主なGoogle Workspaceのサービスは、下記のとおり。
- Googleドキュメント
- Googleスプレッドシート
- Googleスライド など
上の3ツールはGoogleアカウントさえあれば、無料で利用できます。「なんだそれ…初めて聞いたぞ」という人向けに、Microsoft Officeと並べるとこんな感じです。
Microsoft Office | Google Workspace | |
文書作成 | Word | Googleドキュメント |
表計算 | Excel | Googleスプレッドシート |
プレゼン | PowerPoint | Googleスライド |
大体のところはカバーされていますよね。
Microsoft Officeにこだわりがなければ、基本的な作業はGoogle Workspaceでも問題なくこなせます。
Google Workspaceに合わない人

Google系サービスかー
でもWordとかExcelに慣れてるから、いきなり乗り換えるのはちょっと不安だな…
そうですよね。
私もずーっと「Windows」で「Word、Excel、パワポ」しか触ってこなかった人間です。そのお気持ちは、よくわかります。
個人的に「Google Workspaceに合わないかなー」と思うのは、次のような人です。
- Wordの校正機能が絶対必要な人
- Excelをバリバリ使いこなしている人
Wordの校正機能が絶対必要な人
Googleドキュメントには、Wordに標準装備されている「校正機能」がありません。そのため、「文章作成のためにWordの校正機能がないと困る!」という人には、Googleドキュメントは向いていないかなと思います。
といっても、Chromebookでも使える有料・無料の校正ツールは、世にたくさん出回っています。「Wordの校正機能」にこだわる必要は、あまりないと思いますよ。
Excelをバリバリ使いこなしている人
Excelをバリバリ使いこなしている人は、Googleスプレッドシートに乗り換えると戸惑うかもしれません。
しばしば指摘されることですが、ChromebookでExcelのマクロを使うのは、正直難しいです。一応、下記のページでやり方を解説していますが、ホントに力技って感じ。笑
Excelのマクロを動かすプログラム「VBA」に対して、Googleスプレッドシートのマクロを動かすプログラムは「GAS」といいます。
Googleスプレッドシートでマクロを使うとなると、再び一から言語を覚え直さなければなりません(いい忘れていましたが、Googleスプレッドシートにもマクロ機能はありますよ!)。
Excelに慣れている人ほど、Googleスプレッドシートに乗り換えるときに「一から覚え直すガッツ」が必要なのかな、と思います。

そっかー
ぼくはマクロも使わないし、Googleスプレッドシートでも大丈夫そうだな
ライトな使用であれば、個人的には大丈夫かと思います。最初は不明点をGoogle先生に聞きながら対処することになると思いますが、数ヶ月後にはもう慣れていますよ。
Googleは、VBA→GAS変換ツールをリリースしていたようです。
2021年2月25日現在、このツールを使えるのは”Google Workspace Enterprise Plus”など一部の有料プラン契約者だけみたいですね(Enterpriseだから企業だけかな?)。今後、この変換ツールをより多くの人が利用できるようになったら、Chromebook需要がさらに高まりそう。

ふーん。
ところで、ChromebookでMicrosoft Officeは使えないの?
WordやExcel、PowerPointとかは。
ChromebookでMicrosoft Officeを使うことは、一応可能です。
しかし機能が制限されたり、使用に条件があったりと…ぶっちゃけ使いづらいので、私は使っていません。その辺りについても、くわしく見ていきましょう。
ChromebookはMicrosoft Officeを使えない?

ChromebookでMicrosoft Officeを使うことは、可能です。
具体的な方法は、下記のとおり(2021年2月25日現在)。
- Office Onlineを使う
- Androidアプリ版をインストールする
- その他
順に見ていきましょう。
米国時間2021年9月18日以降、Chromebookで「Androidアプリ版Office」を利用できなくなるとの情報があります。
手元のChromebookで「Androidアプリ版Word」の使用を試みたところ、下図のメッセージが表示されました。

Microsoftは、Chromebookユーザーに Office.com への移行を促しています。
8月28日現在は「今はしない」の選択肢があるため、「Androidアプリ版Word」の利用は一応できそうです。しかし今後、Chromebookで「Androidアプリ版Office」を利用できなくなる可能性は高いと思われます。
当ページでは、ChromebookでMicrosoft Officeを使う方法として「Androidアプリ版Microsoft Officeの使用」を挙げています。しかしこれは、すでに古い情報となりました。
恐れ入りますが今後は、「Androidアプリ版Office」ではMicrosoft Officeを使えないものと理解して、当ページをお読みください。
1. Office Onlineを使う
Microsoft OfficeのサービスであるOffice Onlineを使えば、ChromebookでもWordやExcelを利用できます。
Office Onlineの特徴は、クラウド上で操作を行う点。
クラウド利用が前提のChromebookとは、相性がいいですね。
さらにOffice Onlineは、Microsoftアカウントがあれば無料で利用できます。気軽に使いたい人に向いている使い方だと思います。
Office Onlineのデメリットは、通常版(デスクトップ版・インストール版)のMicrosoft Officeと比べて、機能が制限されている点です。具体例は、下記のとおり。
- Word Onlineでは、図形の挿入ができない
- Excel Onlineでは、条件付き書式の機能を使えない など
通常版のMicrosoft Officeの機能を当たり前だと思っていると、Office Onlineに不満を覚えてしまうかもしれません。
良くも悪くも、Office Onlineはライトユーザー向けですね。
2. Androidアプリ版をインストールする
Chromebook本体に「Androidアプリ版Word」などをインストールすれば、ChromebookでMicrosoft Officeを利用できます。
最近のChromebookは、Androidアプリをインストールして使用することができます。先ほど私は、
一部の例外を除いて、Chromebook本体にアプリやソフトをインストールすることは、ありません。
と説明しました。
Androidアプリは、まさに数少ない例外の一つです。
ただし、Androidアプリ版のMicrosoft Officeを使う際には、いくつか条件があります。
詳しくは下記のページをご覧ください。
ChromebookでPowerPointを使うための条件に触れながら、PowerPointをChromebookで動かしたときの挙動も検証しています。
3. その他
他にも、
- Chrome リモート デスクトップ
- Wine
- Parallels
などを活用して、Microsoft Ofiiceを動かす方法もあります。
Chrome リモート デスクトップは、ChromebookでWindowsパソコンを遠隔操作するためのChrome拡張機能です。遠隔操作なので、ハッカーの気分を味わえますよ。笑
Chrome リモート デスクトップについて詳しくは、【力技】ChromebookでExcelマクロを使う方法【代案あり】で触れています。
またWineは、Windows以外のOSでWindows用アプリを動かすためのソフト。
最後のParallelsは、Google社とParallels社がタッグを組んで、Chromebook上でWindowsを動かせるようにする取り組みです。
こうしてみると、ChromebookでMicrosoft Officeを利用する手段は、わりと用意されているんですね。
ただWineとParallelsについては…すみません、詳細は分からないです。m(_ _)m
LinuxやEnterpriseが関係するらしいのですが…私自身使ったことがありません。ここでは「できるらしいよ」とお伝えするに留めておきます。
以上のように、ChromebookでMicrosoft Officeを使うこと自体は可能です。
ただ個人的には、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなど、Google系サービスの利用をおすすめします。繰り返しになりますが、やはり「Chromebook × Google系サービス」の親和性は、抜群なので(それに無料だし)。
おまけ:ファイル形式を変換する
最後に一つだけ補足を。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドで作成したファイルは、Word(.docx)やExcel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)形式に変換できます。



上図のとおり。
たとえば「Chromebookで作ったGoogleドキュメントファイルをWord形式に変換し、会社用メールに送信する」といった使い方ができますね。
反対に、Word(.docx)やExcel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)形式のファイルを、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドで開いて編集することも可能です。
ただし「ExcelにあってGoogleスプレッドシートにない機能」など、一部の機能については正常に動作しない場合もあります。ご注意ください。
「Chromebookはofficeを使えない」は間違い

長くなってしまいましたね。
ページの内容をまとめます。
- 「office」はビジネス支援ツールの総称。
- WordやExcelといった「Microsoft Office」は、数あるofficeツールの一つい。
- Chromebookで使えるofficeツールは、「オンラインで操作できるもの」と考えるとよい。
- ChromebookでMicrosoft Officeを使う方法
- Office Online
- Androidアプリ版Microsoft Office
- その他、Chrome拡張機能など
- Chromebookでofficeツールを使うなら、Google系サービスが使いやすい

「officeとは何か?」の基本から、詳しい話まできけたね!
基本にもどって、丁寧に確認してきました。
参考になりましたら幸いです。
Chromebook購入にあたっては「Microsoft Officeを使えるか?」が1つのポイントになると思います。
Chromebookを買おうかお悩みの方は、購入後の自分の姿をイメージしながら、
officeツールで何をしたいのか?
本当に「Microsoft Office」じゃないといけないのか?
などを、紙に書き出して整理してみましょう。常識を疑って考えてみると、意外な選択肢が出てきて面白いですよ。
それでは今回はこの辺で。m(_ _)ノシ