
CloudReadyをインストールしたい。無料版Chromebookの「CloudReady」というOSがあるらしいけど、どうやってインストールするんだろう?実際の使用感も知りたいな。
こういった疑問に答えます。
- PC本体にCloudReadyをインストールする手順
- CloudReadyを「USBブート」「PC本体にインストール」したときの操作感の違い
2020年1月、Windows7のサポートが終了しました。
サポート終了後、個人的にWindows7パソコンはCloudReadyとして使用しています。
ただ「CloudReadyとして使用」といっても、USBから起動する、いわゆるUSBブートによる使用でした。
Windows7パソコンに保存していたデータの退避も完了したので、Windows7パソコンをCloudReadyとして生まれ変わらせよう、つまり、パソコン本体にCloudReadyをインストールしてみようと思います。
古くなったパソコンをお持ちの方は、このページを読んで、パソコンをCloudReadyに転生させてあげましょう。
CloudReadyをインストールする手順

古くなったWindows7パソコンの本体に、CloudReadyをインストールしていきます。
大まかな流れは、下記のとおり。
- CloudReadyのライブUSBメモリを作成する
- USBメモリから起動して初期設定する
- パソコン本体にCloudReadyをインストールする
順に説明します。
1. CloudReadyのライブUSBメモリを作成する
CloudReadyをパソコン本体にインストールするためには、USBメモリからCloudReadyを起動する必要があります。
そしてUSBメモリからCloudReadyを起動するには、専用のUSBメモリが必要です。下のページを参考に、CloudReadyのUSBメモリを作成しましょう。
※上記ページでは、Chromebookを使って作成する方法を解説しています。
2. USBメモリから起動して初期設定する
USBメモリから、CloudReadyを起動します。
あらかじめBIOS画面で、USB起動が最優先となるよう設定変更しておきましょう。
BIOSの設定を変更したら、ライブUSBメモリを挿してから、パソコンを起動。
すると、Windows7のパソコンでもCloudReadyが使えるようになります。

現状は、パソコン本体にWindows7を残したまま、USB内のCloudReadyから起動している状態(USBブート)です。
画面の案内にしたがって、CloudReadyの初期設定を行います。
- 言語設定で、「言語」「キーボード」の2ヶ所を「日本語」に変更。
- ネットワーク設定で、Wi-Fiの設定
- Googleアカウントを使ってログイン(2段階認証を求められるかも)
初期設定を終えて「利用を開始」をクリックすると、CloudReadyを利用できるようになります。
USBブートのままCloudReadyを使いたい場合は、このまま使用を続けてもかまいません。
ネット検索やYouTube動画の視聴など、USBブートでも問題なく利用できます。
この先は、パソコン本体にCloudReadyをインストールする手順を解説していきます。
3. パソコン本体にCloudReadyをインストールする
パソコン本体にCloudReadyをインストールすれば、USBメモリなしでCloudReadyが使えるようになります。
パソコン本体にCloudReadyをインストールする手順は、下記のとおり。
- シェルフの時刻付近をクリック
- クイック設定パネルの「Install OS」をクリック
- 「CloudReady Installer」の注意書き(下記参照)を確認して「INSTALL CLOUDREADY…」をクリック
- 「Ready to Install CloudReady」の注意書き(下記参照)を確認して「ERASE HARD DRIVE & INSTALL CLOUDREADY」をクリック


上図の「CloudReady Installer」注意書きの訳
開始する前に、データの最新のバックアップがあることを確認してください。CloudReadyをインストールすると、ハードドライブ上のすべてのデータが上書きされます。
Neverwareはデータの損失に責任を負わず、CloudReadyが認定されていないモデルでは期待どおりに(またはまったく)機能することを保証しません。
続行する準備ができたら、[CloudReadyのインストール…]をクリックすると、いくつかの簡単な手順でインストールをご案内します。コンピューターに変更を加える前に、もう一度確認する機会があります。

上図の「Ready to Install CloudReady」注意書きの訳
最後の注意:インストールすると、ハードドライブ全体が消去されます。必要なデータがバックアップされていることを確認してください。
インストールが開始されると、キャンセルすることはできません。
「ERASE HARD DRIVE & INSTALL CLOUDREADY」をクリックすると、CloudReadyのインストールが始まります。
さらばWindows 7。3,600日間ありがとう。

「電源を切らないでね。インストールは20分以内に終わるよ」と書かれています。
実際にインストールにかかった時間は、7分ほどでした。
インストールが完了すると、パソコンは自動的にシャットダウンします。いきなり電源が落ちるので驚きますが、大丈夫です。
ここでそのまま起動すると、再びUSBブートになってしまいます。なのでUSBメモリを抜いて、パソコンを起動しましょう。

おお!USBメモリなしで、CloudReadyが起動しました。
無事にCloudReadyをインストールできましたね。
CloudReady、これからよろしく。ヽ(´ー`)ノ
以上で、パソコン本体へのCloudReadyインストールは完了です。
CloudReadyをインストールした感想

ここからは、CloudReadyをインストールして使ってみた感想を述べていきます。興味のある方だけ、ご覧ください。
※主観的な感想です。m(_ _)m
USBブートとの違い
私は1年間、USBブートでCloudReadyを使っていました。CloudReadyの使用について「USBブート」と「本体にインストール」の両者で、2つの違いを感じています。
- ローカルストレージ容量が大きくなった
- シャットダウン速度が上がった
ローカルストレージ容量が大きくなった
パソコン本体にCloudReadyをインストールしたことで、ローカルストレージの容量が大きくなりました。
USBブートにおけるローカルストレージは、USBメモリの保存容量に依存します。
容量の小さいUSBメモリを使ってUSBブートしたら、ローカルストレージ容量はほんの数GBです。

上図のとおり。
使用可能領域は、1.4GBしかありません。
今回パソコン本体にCloudReadyをインストールしたことにより、パソコンのローカル容量を使用できるようになりました。私の(元)Windows7パソコンには610GBのローカル保存領域があり、CloudReadyをインストールしても500GB以上のローカル容量が使えます。

上図のとおり(使用中システム:400GBと表示されていますが、バグだと思います)。

クラウド活用がメインのCloudReady(もとい、Chromium OS)には、ローカル領域は関係ないんじゃない?
と思う人もいるかもしれません。
ですがローカルに余裕があれば、システムを圧迫しにくいですし、やっぱり安心ですよね。
CloudReadyを本体にインストールすると、潤沢なローカルストレージ容量を使えるようになります。
シャットダウンの速度が上がった
パソコンのシャットダウンが早くなりました。
USBブートの時は、シャットダウンに毎回1〜2分の時間がかかっていました。電源アイコンをクリックしてから1〜2分の間、パソコンの前でじっと待つ必要があり、ちょっとストレスだったんですよね。。
今回、本体にCloudReadyをインストールしたところ、このシャットダウンのレスポンスが早くなりました。具体的にはクリックして、10秒ほどでシャットダウンが完了します。体感的に、他のPCと変わりありません。
細かな点ですが、シャットダウン時間の短縮は、地味にありがたいなと思っています。
以上、パソコン本体にインストールしたことにより、USBブートの時と比べて全体的に使いやすくなったと感じています。
USBブートと変わらない点
USBブートの時と変わらず、Androidアプリは使用できません。これはCloudReady自体が、権利関係などの理由からAndroidアプリをインストールできないためで…まぁ仕方ないですね。

CloudReadyをパソコン本体にインストールすれば、ChromebookのようにAndroidアプリを使える!?
と期待している方がいるかもしれませんが、Androidアプリは使えません。ご注意ください。
その他
その他思ったことですが、パソコン本体のスペックはやっぱり重要なんだなと実感しました。
私はChromebookを持っています。そのChromebookのスペックは抑えめで、
- メモリ:4GB
- CPU:MediaTek MT8173C
こんな感じです。
低価格ということで割り切って購入し、納得の上で現在も使っています。
ただ、このChromebookで重い処理をすると、「フリーズする」「落ちる」といったスペック不足を感じる場面が、ぶっちゃけあるんですよね。
対して、今回CloudReadyをインストールしたパソコンの、元々のスペックは、
- メモリ:4GB
- CPU:Core-i5
上記のとおり。
Windowsならホドホドといったところですが、Chromium OSベースで考えると、ハイスペックといっても過言ではありません。そんなハイスペックマシンでCloudReadyを動かすと、やはりサクサクとした使いやすさを感じます。
具体例は、下記のとおり。
- YouTubeのサムネイル画像の表示速度や、全画面表示に切り替える時の反応速度が早い
- Googleスプレッドシートの読み込み速度が早い
使用中のChromebookより、無料のCloudReadyの方が早いのでは?と感じるほどです。
多少スペックが低くても使える点が、Chromium OS(およびChrome OS)の魅力ではあります。しかしChromium OSといえど、スペックが高ければもっと使いやすいんだなぁと、今回CloudReadyをインストールしたことで学びました。まぁ当たり前なんですけどね。笑
パソコンのスペックは、やはり重要ですね。
先述したとおり、CloudReadyではAndroidアプリが使えないなど、Chromebookの機能すべてを使えるわけではありません。総合的な使いやすさで考えると、間違いなくChromebookに軍配が上がります。一応、付記しておきますね。
CloudReadyをインストールして使ってみよう

1年間USBブートで粘っていましたが、ついにパソコン本体にCloudReadyをインストールしてしまいました。
10年の長きにわたり愛用していたWindows7とは、ここでお別れ。これからはCloudReadyを愛でていきます。
ありがとう、Windows 7。君は素晴らしいOSだったよ。
CloudReadyの具体的な使いみちは、まだ決まっていません。ディスプレイが15.6型かつグレア加工なので、YouTube動画を視聴する時に活用しようかなと思っています。
繰り返しになりますが、CloudReadyをインストールすると、パソコン内のデータはすべて消え、Windows7は消去されます。インストールの実行前には、データのバックアップをしっかり確認してください。
古くなったパソコンをCloudReadyに転生させて、Chromium OSを試してみましょう。