
Googleフォトのニュース、テレビでも大々的に報じられたなぁ。
でも実は、何が問題かよく分かっていない…
Googleフォトが使えなくなるの?
自分はどうしたらいい?
こういった疑問に答えます。
- Googleフォトに関するニュースの内容をおさらいします
- ユーザーがとるべき選択肢を、ケース別に整理します
- PCへの有線バックアップが面倒な人に、対処法を提案します
Googleフォト無制限アップロード終了

2020年11月、Googleは、Googleフォトの利用に関する変更を発表しました。
変更前後を比べながら、一つずつ理解していきましょう。
Googleフォトとは
Googleフォトは、自分の写真や動画データを、クラウドストレージにアップロードできるバックアップ・サービスです。
Googleフォトには、知人との共有、被写体の顔を読み取って自動で整理などの機能があります。
Googleフォトの利用に関する変更点

上図は、Googleフォトの変更点をまとめたものです。
2021年6月1日から、Googleフォトにアップロードした高画質のデータも、Googleストレージの容量にカウントされることになりました。
これはどういう意味でしょうか?
実はGoogleフォトでは、次の3つの画質から選んでクラウド上にアップロードする仕様になっています。
- 元の画質
- 高画質
- エクスプレス画質
「高画質」の言葉の響きから勘違いしてしまいますが、「高画質」は「元の画質」を圧縮・劣化したものです。
つまり、「高画質」より「元の画質」の方が鮮明ということになります。
「エクスプレス画質」は、高速バックアップに対応した画質です。
詳しくはGoogleのヘルプページをご覧ください。
これまで「元の画質」を選んでアップロードした場合は「15GBまで」の容量制限が課されるのに対し、「高画質」「エクスプレス画質」を選んだ場合は、容量の制限なく、いくらでもアップロードし放題でした。
これが今回のGoogleの方針変更により、「高画質」「エクスプレス画質」を選んだ場合でも、15GBの容量制限が課されることになりました。
15GBの制限を超えると、それ以上Googleフォトにアップロードできなくなってしまいます。
以上のように、2021年6月1日以降、Googleフォトに無制限にアップロードできなくなりました。
ただし例外的に、Google Pixelの利用者は今まで通り無制限アップロードが可能です。
詳細はGoogleヘルプページ内の「Pixelのストレージ情報」をご覧ください。
Googleストレージの仕組みに関する変更点

Googleフォト以外にも、Googleストレージの仕組みに関する方針も変更されました。
「Googleストレージ」の明確な定義は不明ですが、公式ページを読む限り、次の3サービスのストレージを指すものと思われます。
- Gmail
- Googleフォト
- Googleドライブ

Googleストレージの具体的な変更点は、Googleドライブに関するものです。
これまでは、Googleドライブ上に保存されるデータのうち、15GBの容量として消費・カウントされるのは「大部分のファイル(PDF、画像、動画など)」とされていました。
それが2021年6月以降は、次のファイルも容量にカウントすると明記されています。
Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、図形描画、フォーム、Jamboard などの共同編集用コンテンツ作成アプリで作成または編集したファイル。
Google ストレージの仕組みに関する今後の変更より引用
Googleフォト同様、Googleドライブに関する変更も2021年6月1日から適用され、5月31日までは保存容量にカウントされません。
最後にもう一度、GoogleフォトとGoogleストレージに関する変更点を、先ほどと同じ図で確認しましょう。


Googleフォトの方針変更は、Googleストレージの方針変更の一部、という認識で良いかと思います。
今回の変更は、Googleが管理するサーバー(情報の倉庫)が、上限に近づいてきたために行われたと推測されます。
では私たちユーザーは、具体的にどのように対処すれば良いのでしょうか。
ユーザーの選択肢

データのバックアップについて、Googleの方針変更を受けてユーザーがとるべき選択肢は、
- Googleフォトを使い続ける
- バックアップ方法を変える
上記のどちらかに分けられます。
Googleフォトを使い続ける
今後もGoogleフォトを使い続ける場合、有料サービスを契約する、無料のまま使うの2パターン考えられます。
有料サービスを契約する
有料サービスとして、Google Oneが用意されています。
Google Oneを契約すると、クラウドストレージに保存する容量を追加できます。
具体的には、250円/月のサブスクリプション契約で、15GBの上限を100GBに増やすことができます。
無料のまま使う
無料で使い続ける場合は15GBのままですが、不要なデータを削除することで、15GBの容量を有効活用できます。
先に確認したとおり、無料で保存できる15GBにはGoogleフォトだけでなく、Gmail、Googleドライブ内のデータも含まれます。
したがってGmailにたまっている不要なメールを削除したり、Googleドライブに保存している動画や画像、Googleドキュメントなどのデータを削除したりすれば、その分の容量を確保できるのです。
Gmailは、添付ファイルも消費容量としてカウントされます。
検索機能を活用しながら不要なメールを洗い出し、ファイルサイズの大きいメールから優先的に削除して、容量確保に努めましょう。
2021年5月31日までは、削除してもしなくても、利用できる容量に変わりはないと思われます。
しかし良い機会なので、6月を待たずに今のうちからデータを整理する習慣を作り、部屋の片付けのようにデータも片付けてしまいましょう。
バックアップ方法を変える
Googleフォトに頼らず、データのバックアップ方法を変える選択肢もあります。
他事業者のクラウドストレージに乗り換える方法と、ローカルストレージを使う方法に分けられます。
他クラウドストレージ
Googleフォト以外の主なクラウドストレージ・サービスには、下記が挙げられます。
- Amazon Photos
- iCloud
- Yahoo!かんたんバックアップ
- Dropbox
変更前のGoogleフォトのように、「無料・無制限」のサービスは見つかりませんでした。
ですが2020/11/20現在、Amazonプライム会員であればAmazon Photosを、Softbank・ワイモバイルユーザーであればYahoo!かんたんバックアップを、それぞれ無制限で利用できます。
Amazonプライムなど、ご自身が利用している他サービスを思い出しながら、最適なバックアップ・サービスを探してみましょう。
ただ、今回のGoogleの決断を受けて、今後Amazonなど他の事業者も追従する、つまり無制限プランを撤廃する可能性は考えられます。
今、無制限で利用できるサービスがあるのなら活用しましょう。
しかし将来的に無制限サービスが停止された時に慌てないよう、無制限サービスに依存しない意識を持つことも大切です。
ローカルストレージ
クラウド上ではなく、物理的な媒体を用意して保存する方法もあります。
主なローカルストレージは下記の通り。
- SDカード
- パソコン
- 外付けHDD・SSD
大容量のSDカードを購入すれば、スマホに挿して手間なくバックアップを取れます。
初期費用がかかるデメリットはありますが、サブスクリプション方式のサービスに抵抗がある人におすすめです。
パソコンや外付けHDD・SSDを持っている人は、これを機に活用してはいかがでしょうか。
追加費用をかけずに、スマホで撮影した写真などをバックアップできます。
その他、NASを購入して、ネットワーク上で手軽にバックアップする方法もあります。
有線バックアップが面倒なら

以上見てきたように、Googleフォトに制限が設けられても、代替手段はいくつもあります。
特にパソコンを持っている人は、パソコンや外付けHDDにバックアップすると便利です。
しかし毎回USBケーブルを取り出して、パソコン⇔スマホを接続する作業に負担を感じるかもしれません。
そんな時は、LAN(ホームネットワーク)を構築してはいかがでしょうか。
LANは、ローカル・エリア・ネットワークの略です。
LANを構築すると、同じネットワーク内の機器でファイルを共有することができます。
プリンターを無線で印刷する際にも、LANが活躍しています。
ご自宅でWi-Fiを利用しているのであれば、パソコンとスマホの設定をするだけで、スマホのデータを無線でパソコンにバックアップできます。
USBケーブルで物理的につなげる手間がなくなるので、スマホ内の画像をパソコンにバックアップする作業がラクになりますよ。
Googleフォトのサービス内容変更は、世界中に大きなインパクトを与えるニュースでした。
一人のユーザーとして、指数関数的に増加する情報・データとの向き合い方を考える、良い機会かもしれません。
ご自身に最適なバックアップ方法を見つけ、大切なデータを守りましょう。