
社労士試験の知識、暗記できないぞ…。これ全部暗記とか、ムリゲーだろ…社労士試験に合格するのって、一部の超人だけなんじゃないか…?
こういった悩みに寄り添います。
- 社労士の知識を暗記できない受験生に伝えたい3つのこと
- 暗記に疲れた社労士受験生に読んでほしい本
この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

2021年には、事務指定講習を修了しました(※登録はしていません)。

社労士試験に合格しましたが、私は天才でも超人でもありません。偏差値50の大学(学部)卒の、凡人です。
このページでは、社労士試験における「暗記」をテーマに取り上げています。暗記の方法論にも触れていますが、日々の勉強の疲れを、ここで癒やしてもらえたら幸いです。
暗記・暗記でささくれた心を、ちょっぴり充電していきましょう。
社労士の知識を暗記できない…やっぱり暗記は必要?

残念ながら、暗記は必要です。
しばしば、「社労士試験は暗記か、理解か」と二項対立で議論されます。個人的に「暗記」「理解」は、車の両輪だと思っています。
知識を暗記していないと、その論点を理解できない
その論点を理解していないと、知識を暗記できない
上記のとおりで、社労士合格には暗記も理解も、どっちも必要です。
こうやって聞くと、「それじゃあ、なおのこと暗記しなきゃ…」とプレッシャーに感じてしまうかもしれません。
ちょっと、表現を変えますね。
社労士試験には、知識の暗記だけで得点できる問題が、たくさんあります。「暗記できないと合格できない…」ではなく、「合格をつかむために暗記する」と考えましょう。
暗記を「義務」として重く捉えると、縮こまってしまい、あなたの能力を発揮できません。ほんの少しだけ、暗記に対する見方をシフトしてください。
社労士の知識を暗記できない人に伝えたいこと

暗記できない…と悩んでいる人に伝えたいことが、3つあります。
- 全体像をイメージしましょう
- 自分なりの暗記方法を確立しましょう
- 忘れても大丈夫です
順に見ていきます。
1. 全体像をイメージしましょう
全体像をイメージするクセをつけましょう。
知識が体系化されて、暗記がスムーズになります。
たとえば、地球儀でフランスを見つけるとします。その時、
- アジア
- ヨーロッパ
- 北アメリカ
- 南アメリカ
- アフリカ
- オセアニア
上記の「州」を知っているかどうかで、フランスの見つけやすさは、全然違いますよね。

フランス?
えーと…どこだっけ…
と、目を皿にして地球儀をぐるぐる回すよりも、

フランス?
えーと、ヨーロッパだから…
と、地球の全体像を「州」でイメージすれば、フランスはすぐに見つかります。
社労士試験も同じです。
たとえば、介護休業給付金の支給申請手続きを覚えるとします。その時、

社労士試験の全体像は、こんな感じか。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 労働保険徴収法
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 労働一般常識
- 社会保険一般常識
科目の全体像を把握していれば、「介護休業給付金は、雇用保険法の給付だな」と、大まかな現在地が明らかになります。さらに、

雇用保険法の全体像は、こんな感じだよな。
- 適用事業
- 被保険者
- 給付
- 雇用保険二事業
- 費用負担
- その他
ざっくりと、こんな内容だったなと全体像をイメージします。そして、

雇用保険の給付は、こんな感じ。
- 失業等給付
- 育児休業給付
失業等給付は…たしか4つだったな。
- 求職者給付
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
- 雇用継続給付
少しずつ、ざっくりした全体像から、細かな部分に、焦点を合わせていきます。

んで、雇用継続給付は、こうだ。
- 高年齢雇用継続給付
- 介護休業給付
さてさて、介護休業給付金の支給申請手続きは、…
こんな流れで、全体から部分に、意識を動かしていきましょう。
全体像をイメージできれば、脳内に目次ができます。
暗記作業とは、この目次の数を増やし、クッキリ見えるようにすることだと思っています。
まずは、テキスト・過去問を2〜3周してください。
ぼんやりとでも良いので、試験の/法律の/論点の、全体像をつかみましょう。全体をつかめれば、その後の勉強効率は、飛躍的に向上しますよ。
体系的に学ぶため、全体を捉えましょう。
2. 自分なりの暗記法を確立しましょう
自分なりの暗記法を見つけてください。
ネット上の正解が、あなたに当てはまるとは限りません。
ネット上には、色んな暗記法・記憶術があふれています。
でも、あなたに合った暗記方法は、あなたにしか分かりません。
色んな暗記法を試してください。
ほとんどは失敗に終わりますが、自分に合った手法が一つでも見つかれば、決してムダではありません。
私も色々試しました。
ひたすら書いたり、耳で聞いたり、音読したり、寝る直前に覚えたり…。
その結果、私に合っていたのは次の暗記法でした。
- 図で覚える。色を交えるとなお良し
- イメージする。右脳を働かせる
- 感情をフックに覚える
※あくまで私のケースです。
逆に、どれだけ手を動かして書いても、まったく暗記はできませんでした。また寝る直前に覚えようとしたら、興奮して眠れなくなってしまいました。こればっかりは、やってみないと分からないですね。(;´∀`)
自分なりの方法を確立して、ひたすら暗記を繰り返せば、脳のシナプスは強化されます。
「コレだ!」というやり方が見つかるまでは、ツライかもしれません。でも、きっと見つかります。諦めないで、色んな暗記法を試してみてください。
3. 忘れても大丈夫です
人間、暗記しても忘れます。
忘れても、大丈夫です。
昔の私がそうだったのですが、一度暗記した知識は、絶対に忘れちゃいけないと思い込んでいました(今考えると、謎の縛りすぎる…)。
でも、そんなの不可能ですよね。
忘れた自分を、責めないでください。
むしろ忘れた自分を、褒めるべきです。

…褒めるべき??
私がこんな考え方になったのは、「忘却の整理学」という本を読んだためかもしれません。
この本の著者は、言語学者の外山滋比古さん。
東大生・京大生に人気の「思考の整理学」の著者でもあります。
私が「忘却の整理学」を読んだのは、1年目の社労士受験に落ちた後でした。すべての力を出し切って、それでも結果は不合格。来年も受験しようと思いながら、やる気が出ないまま、2ヶ月ほどダラダラしていました。
そんな時、「忘却の整理学」に出合いました。
キャッチーなタイトルから、「忘却を科学的に分析した、記憶術の本かな?暗記に役立つかもな」と思って手に取ったのですが、内容はまったく違いました。
「忘却の整理学」を通じて外山さんは、「暗記なんてしなくていい。もっと忘れましょうよ」と、繰り返し読者に語りかけます。
私はこの本を読んで、忘れることに対する抵抗がなくなりました。そして、ようやく重い腰を上げて、受験勉強を再スタートしました。
「おかげで合格した」というのは、少し大げさですね。笑 けれど「忘却の整理学」を読む前後で、受験勉強、特に暗記に臨むスタンスが変化したことは、間違いありません。
「忘却の整理学」を読んでも、暗記力は身につきません。
けれど、知識のつめこみに疲弊した心に、そっと、寄り添ってくれます。
やさしく軽やかな語り口なので、最後までサラッと読めましたよ。そして、繰り返し繰り返し「忘れなさいな」と説かれるので、読み終える頃には、心から「あぁ、別に忘れてもいいや」と思えます。笑
忘れても大丈夫です。
社労士受験に疲れた時は、心の充電も大切ですよ。
今暗記できなくても、社労士試験には合格できます

社労士試験に合格するには、細かな知識の暗記が欠かせません。けれど暗記には、適切なタイミングがあり、最適な方法は人それぞれ異なります。
「絶対暗記しなきゃ…」のプレッシャーで取り組むのと、「ま、忘れたら仕方ないか」のモチベーションで取り組むのとでは、暗記効率はまったく違います。
マジメな人ほど自分に厳しいと思いますが、自分を甘やかしたって、別にバチは当たりません。
自分なりの暗記法を確立して、忘れつつ暗記していきましょう。