
社労士試験の知識を、科目横断的にまとめたい。横断整理におすすめの学習法があれば、知りたいな。合格者は、どうやって膨大な知識を覚えたんだろう?
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

2021年には、事務指定講習を修了しました(※登録はしていません)。

社労士試験で問われる法律は、多岐にわたります。
広汎な知識を体系化するには、法律や科目をまたいで、横断的に整理しなければなりません。
このページでは、社労士試験の横断整理学習について取り上げています。
はじめに、横断整理学習の必要性を再考しましょう。
社労士受験、横断整理学習の必要性


学んだ知識を、科目横断的に整理したい
社労士受験では、横断整理学習が欠かせないと聞いたから
そうですね。
私もその通りだと思います。
では、なぜ横断学習が必要なのでしょうか?
掘り下げて考えてみましょう。
個人的に、社労士受験で横断整理学習が必要な理由は、
- 科目が多いから
- 覚えるべき知識量が多いから
- 似て非なる知識がたくさんあるから
この辺りかなと思います。
社労士試験では、「ほとんど同じだけど、よく見るとビミョーに違う」という論点がたくさんあります。そして、そんな論点こそ本番で問われやすいという…完全に「落としに来ている試験」です。
たとえば、目的条文について。
正しい語句はどちらでしょう?
※答えはご自身でご確認ください。m(_ _)m

え…
似たような言葉だし、どっちでも良くね…?
なんて言えません。
合格したらあなたは、「社会保険労務士」という隣接法律専門職に就くのですから。
言葉の一つひとつに至るまで、神経を張り巡らせる責務があります。
…受験で覚えるのは大変ですけどね。
こういった ”似てるけどビミョーに違う知識” に対応するために、横断学習は欠かせません。
横断学習によって、知識がグルーピングされて、効率よく覚えられるようになります。
ただし、横断学習には注意点もあります。
横断的な視点から、知識を捉え直そうと頑張っている間は、模試を受けてもあまり点が伸びません。

もう800時間も勉強してるのに、最近、得点できないぞ…
こんなに頑張ってもダメなのかなぁ…
ハァ…
このように、わりと落ち込みます。
でもこれは、得点が伸びる前の、タメの期間です。
高くジャンプする前は、膝をグッと曲げてタメを作りますよね?
それと同じで、一時的な沈み込みの期間です。
なんとか、この苦境を乗り越えてください。
乗り越えれば必ず、得点は伸びます。
横断学習によって、社労士試験全体の理解度は確実にアップします。
そこに至るまでに、「一時的に得点は落ちるものだ」と心の準備をしておきましょう。
それでは、私が実際に使っていた横断整理テキストをご紹介します。
社労士受験、横断整理のおすすめテキスト
私が使っていた横断整理テキストは、フォーサイト直前対策講座「横断まとめ編」です。

「横断まとめ編」の特長
「横断まとめ編」テキストの特長は、
- カラフル
- コンパクト
上記のとおり。
カラフルで見やすく、直感的に分かりやすいテキストだと思います。
これはフォーサイトの特長ですね。
また、フォーサイト公式サイト(社会保険労務士 テキスト・問題集のページ数とメディアの収録時間一覧表) によると、2021年度試験対策の「横断まとめ編」テキストのページ数は、128ページ。
私が所有している2018年当時のテキストは120ページなので、大体これくらいのボリュームですね。
「横断まとめ編」は、コンパクトにまとまったテキストだと思います。
「横断まとめ編」の活用法
私は「横断まとめ編」テキストを、横断的な視点を知るために活用しました。
どんな視点(切り口)から、知識を横断的に整理すれば良いかのチェックです。
基本的に私は、横断学習を自力で行いました。
テキスト・過去問題集を5周、10周と繰り返す中で、

この論点、たしか他の法律でも見たぞ…
と気づいたら、その場で横断学習に取り組んだのです。
でも、自力の学習には限界があります。
そこで「横断まとめ編」テキストを取り出して、

見逃している横断視点はないかな?
と、チェックのために活用したのです。
「横断まとめ編」テキストは通読するのではなく、折に触れてパラパラ見てみるといった使い方でした。
「横断まとめ編」の欠点
「横断まとめ編」テキストの欠点を挙げるとすれば、「まとまりすぎ」でしょうか。
先ほど述べたとおり「横断まとめ編」テキストは、コンパクトかつ機能的にまとまっています。ただ、まとまりすぎていて、隙がない印象は受けました。個人的には、ちょっと無機質に感じてしまいましたね…。
とはいえ、動画講義のおかげで、読み進めるのは苦じゃありません。
動画講義は、eラーニングで視聴できます。
下記は、フォーサイト公式サイト・直前対策講座の注意書き。
※eラーニングでご利用いただけるメニューは、デジタルテキスト、講義視聴、質問機能となります。
フォーサイト社会保険労務士 直前対策講座2022年試験対策 より引用
上記のとおり。
テキストだけだと正直しんどいかもですが、動画講義もセットなので安心です。
以上のように、私の横断整理学習の基本スタンスは、自力でした。
自力学習のパートナーとして「横断まとめ編」テキストが杖となり、支えてくれた感じですね。
なお、フォーサイト直前対策講座「横断まとめ編」は、単科講座です。
つまり、フォーサイト受講生でなくても、個別に申し込めます。
さらに、無料質問3回のサービス付き。
横断整理が不安な独学の方は、ここだけ大手のノウハウを取り入れるのもアリかなと思います。
>> フォーサイト社会保険労務士|直前対策講座 2023年試験対策
以上、私が実際に使っていた横断整理テキストの紹介でした。
つづいて、横断整理におすすめの勉強道具をご紹介します。
社労士試験の横断整理におすすめの勉強道具

先ほど私は、「横断学習は自力で」と言いました。
でも、どうやって広汎な知識をまとめれば良いのか、戸惑ってしまいますよね…。
そこで、おすすめの勉強道具として、ホワイトボードの活用をおすすめします。

私はホワイトボードを使い倒して、社労士試験に合格しました。
ホワイトボードをおすすめする理由は、下記のとおり。
- サッと、きれいに消せる
- 広く自由に使える
- 書いて整理できる
- やる気が出る
順に見ていきましょう。
サッと、きれいに消せる
ホワイトボードの文字は、ノートと違ってサッと消せます。
時間のない社労士受験生には、この効率の良さはありがたいですよね。
また文字を消しても、跡が残りにくいです。
きれいに、何度でも書いて、消せます。
広く自由に使える
ホワイトボードは、まっさらです。
まっさらなキャンバスを、自由に使えます。
特に横断整理の学習では、絡み合った幅広い知識を、いかにシンプルにまとめるかが重要になります。そんな中で私には、ノートに引かれた罫線さえジャマでした。
そのため、はじめは「自由帳でも買おうかな」と考えました。けれど、
- 消しゴムで消す行為に時間がかかる
- 消しゴムで消すと、黒っぽく汚くなってテンションが下がる
- 色付きボールペンの文字は消せない
上記の理由で、自由帳は買いませんでした。
ホワイトボードの自由度の高さは、幅広い知識を横断的にまとめる上で魅力的です。
書いて整理できる
ホワイトボードには、脳内のゴチャゴチャをそのまま書けます。
書いたり消したりしながら、脳内を整理できます。
私は、頭の中で物事を整理するのが苦手です。
なので、「ん?どゆこと??」と思ったら、とりあえず書く(描く)クセがあります。
「書いて整理」は、ノートでも可能だと思います。
でも私は、ノートに先述の使いにくさを感じていたので、ホワイトボードに書くようになりました。
やる気が出る
ホワイトボードを買うと、やる気が出ます。
これ、意外とバカにできません。
ホワイトボードを買うと、賢くなった気がします。笑
もちろん買ったところで1ミリも賢くなりませんが、「部屋にホワイトボードが置いてある」と、まぁテンションが上がるんですよね。
社労士の受験勉強は、長丁場です。
合格のためには、学ぶ環境やモチベーションを、自分で築き上げなければなりません。
楽しんで勉強に取り組む。
「楽しむ」までいかなくても、勉強に取り組む際の、心理的なハードルを下げる。
ぶっちゃけただの自己満足ですが、ホワイトボードは、わりと強力な ”やる気ブースター” でした。勉強を楽しむ上で、ホワイトボードはありがたかったです。
横断整理にホワイトボードを活用するメリットは、こんな感じですね。
反対に、デメリットは次のとおり。
- 書く行為に時間がかかる
- 置く場所が必要
「わざわざ書かなくても覚えられる」って人には、ホワイトボードは不向きかなと思います。
さらに購入前は、
- ホワイトボードをどこに、どうやって置くか?
- どんな姿勢で書き込むか?
などを、あらかじめイメージしておきましょう。
買ってから「置く場所に困ったぞ」となると、ツライので…。
社労士受験、横断整理の学習法

社労士受験における横断整理の学習法をご紹介します。
横断的な知識に出合ったらすぐにまとめる
学習中、横断的な知識を見つけたら、すぐにまとめましょう。着実に、知識が整理されます。
テキストや過去問を何周も繰り返すと、「あれ?この論点って、他の法律でもなかったっけ?」と思う場面が増えてきます。2〜3周目にはスルーしていた論点が、5〜6周目になって、はじめて目に留まるのです。
気になった箇所は、すぐさま解決しましょう。
「後でやろう」と思っても、後では「何が気になったのか」を忘れてしまいます。
社労士の知識って、ホントに細かいです。
「似てる論点があったような…」と目を閉じて考えても、考えながら「あれ、何を考えてるんだっけ…?」と、こんがらがってしまうことすら、多々ありました。
気持ちよく過去問を解いている最中に、他の法律のテキストを引っ張り出すのは、正直面倒です。それでも横断的な知識は、気づいたらすぐにチェックすべき。
共通点や類似点、相違点をチェックしたら、ササッとホワイトボードに書き込みましょう。

上図は、私が受験当時に書いた実際のメモ。
地道で大変な作業ですが、合格のために一つずつ知識を整理しましょう。
写真で撮影する
ホワイトボードに書いたメモは、スマホでパシャっと撮影しましょう。スキマ時間が、有意義な勉強時間に変わります。
ホワイトボードにメモして、写真を撮る。
シンプルですが、この方法をはじめてから、私の学習効率は上がりました。
たとえば晩ごはんを食べた後。
「勉強しなきゃ…」と思いながらも、1日の疲れがどっと出て、部屋まで行くのが億劫な時ってありますよね。
そんな時でも、スマホなら手元にあります。
スマホにホワイトボード・メモの写真を保存しておけば、どこでも気軽に勉強に着手できます。
ホワイトボードにメモする → 写真を撮る
私はこの流れを繰り返していたら、いつの間にか400枚ほどのホワイトボード・メモを撮影していました。もはやホワイトボードは「横断整理」だけでなく、「社労士受験そのもの」におすすめできます。



こんな感じのメモが、396枚ありました。
個人的に「ホワイトボード × 写真」は、効率的な学習法だと思っています。
ホワイトボードの使い方
私が愛用しているのは、「カウネット スチールホワイトボード 無地(商品番号:42102335)」です。
私の環境では、たまたま机の前に引っ掛けるところがあったので、壁掛けタイプのものを購入。家にあった ”ミニS字フック2つ” で吊るして、いい感じになりました。


S字フックは付属しませんが、吊り下げるための ”吊り具” は同梱されていました。
ただ、”ホワイトボード上部にS字フック2つだけ” だと、下側が「パカパカ」と浮いて、ちょっと気になります…。そこで、下側にもS字フックを取りつけて、上下から固定しました。

こんな感じ。
全体画像でいうと、

この部分ですね。
下側をちょっと固定するだけで、かなり安定感が増しました。
他の付属品として、”マーカー受けトレイ” があります。
ペン・イレイサーなどを置けるトレイですが、私はホワイトボードに取り付けていません。
トレイの出っ張りに空間を占領されて、ジャマに感じたからです。
代わりにイレイサーは、磁石でくっつく物を、100均で選ぶようにしています。
ペンは普通に、ペン立てに置いています。

これ全部、ホワイトボード用のペンです。
多用する黒ペンは、すぐに使い切ってしまいます。
なので、1〜2本ストックしておくと良いですよ。
それから、せっかくなので色付きペンを活用しましょう。
黒以外に3〜4色持っていると、カラフルで分かりやすく、モチベーションもグイッと上がりますよ。

ホワイトボード学習、良さそうだな
でも机の周りに、ホワイトボードを掛ける場所なんてない…
という方は、脚付きのホワイトボードを検討しましょう。
壁掛けタイプと比べてお値段は高くなりますが、私は4〜5年前に買ったホワイトボードを、未だにバリバリ使っています。受験以外にも何かと役立つので、長期的なコスパは高いと思いますよ。
ホワイトボードを使い倒して、社労士の横断整理を攻略しましょう。
社労士の横断整理におすすめのテキスト・勉強道具|まとめ

「おすすめテキスト」「おすすめ勉強道具」と言いましたが、学習スタイルは十人十色。
十人いれば、十通りの学習法があります。
私は フォーサイトの「横断まとめ編」テキスト と ホワイトボード で、社労士受験の横断学習を乗り切りました。学習法の一つとして、何かヒントにでもなれば幸いです。
ホワイトボード学習に興味が湧いた人は、どんなホワイトボードにするか、具体的にイメージしてみましょう。壁掛けタイプ・脚付きタイプなど、あなたの部屋に合ったものを探してください。
勉強道具にもこだわって、楽しみながら社労士合格を目指しましょう。