
社労士試験の勉強中。
厚生年金保険法が難しいな。
とりあえず手を付けたけど、ちょっと何言ってるか分からないですねぇ…
厚生年金保険法の勉強法、攻略ポイントを知りたい。
こういった疑問に答えます。
- 社労士試験における、厚生年金保険法の勉強法をまとめています
この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

厚生年金保険法、学習が大変な科目ですよね。
私は受験生当時、分からない論点が多すぎて叫びたくなりました。(;・∀・)
このページでは、厚生年金保険法を学習するコツをまとめています。
厚生年金保険法の攻略には時間がかかります。
けれどポイントを押さえてしまえば、得点が安定しやすい科目です。
学習のポイントを押さえ、効率よく学んでいきましょう。
社労士試験、難しい厚生年金保険法の勉強方法

厚生年金保険法は、下記の順序で学ぶと良いでしょう。
- 健保、国年の基礎を固める
- 厚年をじっくり学ぶ
- 健保、国年との違いを押さえる
それぞれ、具体的に見ていきます。
1. 健保、国年の基礎を固める
まず、健康保険法と国民年金法の基礎知識を固めましょう。
これらは、厚生年金保険法とのつながりが深い法律です。
健康保険法や国民年金法は、厚生年金保険法を理解する上でベースとなる法律です。
かいつまんで表にまとめると、
適用、標準報酬 | 健康保険とほぼ同じ | |
年金制度 | 2階部分 | 厚生年金保険 |
1階部分 | 国民年金 |
上表のとおり。
健康保険法も厚生年金保険法も、労働者の(ひいては国民の)生活の安定・福祉の向上にフォーカスしています。
この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
健康保険法 | e-Gov法令検索より引用
この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
厚生年金保険法 | e-Gov法令検索より引用
上記のとおり。
健康保険法、厚生年金保険法の目的条文(第一条)ですね。
またご存知のとおり、日本の年金制度は、国民年金法を1階部分、厚生年金保険法を2階部分として構築されています。
このように健康保険法・国民年金法は、厚生年金保険法と関わりの深い法律です。
厚生年金保険法を学ぶ前には、まず健保・国年の基礎知識を確実にしておきましょう。
また範囲は限られますが、厚生年金保険法には「雇用保険法」も関わってきます。
具体的には、老齢厚生年金の支給調整の論点ですね。
ちなみに私は、高年齢雇用継続給付を理解しないまま、厚生年金保険の学習に突入しました。
その結果はご多分に漏れず、まったく歯が立ちませんでしたね。笑
高年齢雇用継続給付は苦手だったので、いやいやながら、渋々学びなおしました。(;´∀`)
厚生年金保険法だけを学んでも、厚生年金保険法の得点はできません。
厚生年金保険法を本格的に学び始める前には、特に健康保険法・国民年金法・雇用保険法の基礎を、がっちり固めてください。
2. 厚年をじっくり学ぶ
健保・国年の基礎ができたら、厚生年金保険法をじっくり学んでいきましょう。
厚生年金保険法を1〜2周で理解するのは難しいので、4周、5周と繰り返し学んでください。
なお、個人的に厚生年金保険法の難しさは、
- 「制度の理解」が難しい
- 「暗記」が難しい
- 知識が他科目とゴチャゴチャになって萎える
- 「科目横断的な理解・暗記」が難しい
この辺りかなと思います。
学びはじめた頃は、
「特別支給って何だよ…」
「加給年金額って何だよ…振替加算とどう違うの…」
「障害手当金って何だよ…傷病手当金と名称似すぎ…」
「寡婦加算って何だよ…」
こんな感じで、あまりにも分からないので、茫然自失すると思います…。

厚生年金保険法難しすぎる…
全然わかる気がしない…
もう社労士試験諦めようかな
こんな風に落ち込んでしまうかもしれませんが、最初は分からなくて当然です。
最終的には試験で得点できれば、それでOK。
挫折しながらも、ちょっとずつ前に進んでいきましょう。d(´・ω・`)
3. 健保、国年との違いを押さえる
最後に、健康保険、国民年金との違いに目を向けましょう。
厚生年金保険と微妙に違う部分は、試験で問われやすい論点です。
「健康保険法と厚生年金保険法」「国民年金法と厚生年金保険法」共通点は多いのですが、微妙に異なる部分もたくさんあります。
- 標準報酬月額の等級区分
- 障害等級
- 遺族の範囲
いくつか例を挙げると、上記のとおり。
厚生年金保険法を学ぶ際は、手元に健康保険法、国民年金法のテキストを用意して、疑問点をその場で解決しながら進んでください。
健康保険法、国民年金法との違いを押さえて、効率よく厚生年金保険法を学びましょう。
おまけ:要件を暗記するコツ

なんとなく制度は理解したけど、これを覚えなきゃいけないのか…
特に、支給要件の暗記が苦手だ
支給要件の暗記、難しいですよね。(;´Д`)
頑張って要件を覚えても、今度は国民年金の知識とゴチャゴチャになってしまい…
支給要件の暗記には、かなり苦労すると思います。
私は支給要件を暗記するとき、キーワードに目印を付けて、優先的に覚える工夫を施しました。

上図は受験当時、ホワイトボードに私がまとめたメモです(法改正にご注意ください)。
画像を見ると、丸印やアンダーラインで、文章の一部を目立たせていますよね。
初診日の前日において、初診月の前々月までに国民年金の被保険者期間がある場合には、…
このように文章を丸ごと覚えるよりも、
前日
前々月
これだけを押さえておけば、暗記にかける労力は大幅に減らせます。
なお、障害厚生年金の支給要件では、「2/3以上」も間違いなく重要ポイント。
ですが、このメモを書いた頃の私にとって、「2/3以上」はすでに当たり前の知識となっていました。
そのため、「2/3以上」にはマークはありません。
テキストで「ここが重要ポイントだよ!」とされている、赤字・太字のキーワードも大切です。
でも暗記は、あくまで自分の習熟度に応じて行うべきだと思います。
あと2つ、実際のホワイトボード・メモをご紹介しますね。


上図のとおり。
繰り返しになりますが、法改正にご注意ください。
自分が特に重要だと思うキーワードを、パッと見た時に目立たせて、支給要件を覚えましょう。

重要なキーワードは、どうやって見つけるの?
これはもう、過去問を繰り返すのみです。
何度も何度も過去問を繰り返すと、次第に社労士試験の出題のクセが分かってきます。
「不正解だった問題」や「ひっかけで出題されそうな問題」から、キーワードを拾い集めてください。
私はホワイトボードを使い倒して、社労士試験に合格しました。
ホワイトボードの魅力・具体的な使い方については、【社労士】横断整理におすすめの勉強道具にて言及しています。ホワイトボード学習に興味のある人は、あわせてどうぞ。
自分にとって大切なキーワードを目立たせて、煩雑な支給要件の暗記を乗り切ってください。
社労士試験、難しい厚生年金保険法の勉強方法|まとめ

厚生年金保険法を理解するには、健康保険法や国民年金法などの正確な知識が求められます。
また、厚生年金保険の制度を理解できても、今度は ”暗記の壁” を乗り越えなければなりません。
厚生年金保険法は、社労士試験の中でも難しい科目だと思います。
けれど、いくつかの壁を越えれば、得点は安定しやすい科目です。
厚生年金保険法を得意科目にして、合格に近づいていきましょう。