
社労士試験の勉強中
ダメだ、労一が難しすぎる
対策しようにも範囲が広すぎて、もうひどいよ…
社労士試験の労一対策・勉強法を知りたい
こういった悩みに寄り添います。
- 社労士試験の難関科目・労働一般常識の勉強法について、合格者の視点からアドバイスしています
この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

社労士試験における最難関科目「労務管理その他の労働に関する一般常識」。
私自身、なぜ労一の基準点をクリアできたのか?
正直、いまだによく分かっていません。
「労一対策はこれだけでOK!」と断言しづらいのが、正直なところです。
このページでは、社労士試験の労働一般常識の勉強法に、言及しています。
労一を学んでいた当時を振り返り、私が気をつけていたこと等をまとめました。
少しでも、あなたの参考になれば幸いです。
社労士試験の労一対策|基本の勉強法


社労士試験の労働一般常識が難しいって聞いたけど…
どうやって勉強していけば良いの?
基本は、他の科目と同じです。
テキストでインプット ⇔ 過去問でアウトプット。
これの繰り返し。

過去問もやる必要あるの?
労一みたいな時事問題で、「過去」って意味ないと思うんだけど。
個人的には、過去問に取り組む価値はあると思います。
理由は、
- 労一では白書(時事)問題だけでなく、法令問題も出題されるから
- 白書対策では、過去・現在・未来の視点が大切だから
- 出題意図の予測につながるから
上記のとおり。
他の科目ほどではありませんが、労一でも過去問から学べることは多かったですよ。
また労一の苦しさは、広範な知識を覚えるための ”学習面” だけではありません。
今学んでいる内容が、はたして本番で問われるのか?
この学習に、意味はあるのか?
このように葛藤する自分自身の ”精神面” との闘いも、また大きいのかなと。
やや抽象的な話になりますが、

この勉強・この時間は、絶対に意味があるんだ!
きっと出題される!
こういったゴリゴリのポジティブ・メンタルじゃなくて、

今学んでいるこの知識は、出題されない可能性もあるんだよな。
でも、だからといって、勉強しなくて良い理由にはならないよなぁ…
と、半ば諦めているような感覚で、私は淡々と学びました。
こういったメンタリティに関して、別に正解はないと思っています。
あなたなりに、理不尽な社労士試験への葛藤を乗り越えてください。
この葛藤もまた、受験生が越えるべき一つの壁だと思いますので。
労働一般常識は、すべての受験生が苦しむ最難関科目です。
自分とライバルを比べても仕方ないので、”ライバルの存在” を利活用して自分に打ち克つ方向に持っていきましょう。
社労士試験の労一対策|留意点

労一の学習時、私が気をつけた点は、下記の3つ。
- 他の法律を並べながら覚える
- 白書対策は傾向をつかむ
- 確実な知識を一つずつ増やす
順に見ていきます。
1. 他の法律を並べながら覚える
類似論点は対比させて、他の法律を並べながら学びました。
当たり前ですが、労一で学ぶのは ”労働” に関する法律ですよね。
そして日本の労働法のベースとなっている法律は、ご存知のとおり、労働基準法です。
労一の法令を学ぶ際は、労働基準法などの労働法と比べながら学ぶと効率的です。
つまり、横断学習がおすすめ。
たとえば、最低基準効に関する論点について。
労働契約法12条、労働組合法16条、労働基準法13条には、労働契約と各種ルールとの優劣関係が明記されています。
第十二条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。
労働契約法 | e-Gov法令検索より引用
第十六条 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。
労働組合法 | e-Gov法令検索より引用
第十三条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。
労働基準法 | e-Gov法令検索より引用
上記のとおり。
この論点の場合、いくら一つの法律内で完璧に覚えても、対策はできません。
労働契約法・労働組合法・労働基準法の3つを並べ、横断的にまとめて覚えることで、初めて得点に結びつくのです。
このように、労一の勉強を進めていると、

…あれ、デジャヴ?
前にどこかで、似た文章を見かけたような…
こんなモヤモヤを感じる場面があります。
この感覚を覚えたら、すぐに他科目のテキストを開いて、横断学習に取りかかりましょう。
テキストを行ったり来たりする作業には、たしかに手間がかかって面倒です。
けれど、今すぐにチェックしないと、

…あれ?
何に疑問を覚えたんだっけ?
と、疑問点そのものを忘れてしまいます。
「後でチェックしよう」と思っても、きっとやりません。
疑問や引っ掛かりを覚えたら、直ちに解決に着手しましょう。
労一の学習は、横断的に取り組む ”軽快なフットワーク” が重要です。
2. 白書対策は傾向をつかむ
白書・統計対策では、細かな数字よりも、”傾向” をつかむよう心がけました。
労一の白書・統計問題は、対策が困難です。
労働経済に関するどのテーマが、どんな風に問われても、おかしくないですから。
範囲が ”膨大” というか、受験生の体感的には、もはや ”無限” ですよね…。
”無限” の範囲から、細かな数字を一つひとつ覚えていく…これはもう不可能です。
そこで、数字の ”傾向” なのですが、具体的には、
- 上昇・増加傾向
- 高水準
- およそ○%
上記のイメージ。
感覚としては、ピンポイントの「点」ではなく、時間軸などを加味して「線」で覚える意識が大事かなと思います。
また、受験中は発想しにくいかもしれませんが、
こういった ”出題側の事情” に意識が向けば、”傾向” の意味がぼんやり見えてくると思います。
日本において〇〇は上昇傾向(試験で問われる知識)
だから社労士には、△△の課題を解決するべく、尽力してもらいたい(出題側の意図)
こんな感じ。
「出題される問」は、「伝えたいメッセージ」とも取れますよね。
単に「テキストに載っているから覚えなきゃ」ではなく、もっと主体的・積極的に、試験に臨みましょう。
試験主催団体の目線になって、「ひどい」「理不尽だ」といわれる出題の背景に、思いを馳せるのも一手かなと。
出題側の意図を汲みつつ、白書対策では ”傾向” を読み取りましょう。
なお労一の、「白書」ではなく「法令」対策では、特徴的な数字は確実に覚えるべきです。
特徴的な数字とは、
- 障害者雇用率
- 労働者派遣の期間
- 労働協約の有効期限 など
この辺りですね。
法令問題は対策しやすいので、確実に得点できるよう備えてください。
3. 確実な知識を一つずつ増やす
漫然と勉強しないで、確実な知識を地道に増やすことを心がけました。
労働一般常識の学習セオリーは、”広く・浅く” だと思います。
膨大な範囲を一気に学ぶので、どうしても ”広く・浅く” になりますよね。
けれど、だからといって中途半端な知識をむやみに増やすのは、むしろ毒。
あやふやな知識ほど、本番で足を引っ張るものはありませんから。
確実な知識を一つずつ、地道に、着実に積み上げていってください。
とはいえ、やはり ”広く” 学ぶ必要もあるわけで…
矛盾するようですが、この辺りのアクセル・ブレーキのかけ具合が、労一対策の難しさなんですよね。(^_^;)
ここは、使用教材と自分を信じるのみでしょうかね。
社労士試験の労一対策|まとめ

社労士試験の労働一般常識は、対策が非常に難しい科目です。
特に、白書・統計対策は ”運ゲー” に近いのですが、受験生として手をこまねいているわけにもいきません。
白書などの直前対策も怠らず、合格に向けてラストスパートをかけましょう。
私が受講していた通信講座・フォーサイト。
2023年試験向けの直前対策講座には、「白書・統計対策編」があるんですね。
>> フォーサイト社会保険労務士|直前対策講座 2023年試験対策
私の受講当時(2016〜2018年)には用意されていなかったので、ちょっと羨ましい…。
フォーサイト受講生じゃなくても申し込めるので、白書・統計を徹底的に対策したい人にはアリかと。