
社労士試験の勉強をしている
労災保険法が難しいなぁ。給付とか覚えられないし…
社労士試験の労災保険法の勉強法・攻略法を知りたい
こういった疑問に答えます。
- 社労士試験、労災保険法の勉強法について、3つのポイントを解説します
この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

労災保険法の学習、難しいですよね…
私も受験当時、労基→安衛と順番に学んできて、労災保険で急に雰囲気が変わったなぁと戸惑いました。
このページでは、社労士試験における労災保険法の勉強法について、ポイントをまとめています。
すべて私が実際に意識して、心がけていた勉強法です。
労災保険法を得意科目にして、合格に近づきましょう。
社労士試験の労災保険が難しい…

「労災保険法が難しいなぁ…」と感じる人は、ちょっとだけ、勉強法に気を配ってみてください。
私が労災保険法の学習時に心がけたことは、下記の3点です。
- 保険給付を体系的に覚える
- ”保険法”の構成を知る
- 事例問題の4ポイントを押さえる
順に見ていきます。
1. 保険給付を体系的に覚える
まずは、労災保険全体の保険給付を、体系的に覚えましょう。
後々、知識をスムーズに記憶できます。

休業補償給付は給付基礎日額の100分の60で…

傷病補償年金は療養開始後1年6ヶ月経過した日に…

障害補償給付の第8級は503日分で…
こういった細かな点は、後回しでOKです。
最初は、業務災害・通勤災害に係る保険給付を、ざっくりと、しかし確実に覚えてしまいましょう。
- 療養(補償)給付
- 休業(補償)給付
- 傷病(補償)年金
- 障害(補償)給付
- 介護(補償)給付
- 遺族(補償)給付
- 葬祭料(葬祭給付)
上記のとおり。
まずはこの体系を、頭に叩き込んでください。
上記の体系を完璧に覚えたら、ようやく細かな知識の学習に取り組みます。

障害補償給付には、年金と一時金があるんだな。

遺族補償年金の受給者の範囲は、…
こんな感じ。
いきなり細かな論点を覚えようとしても、迷子になってしまいます。
全体像を押さえてから、細々した知識の記憶に移ってくださいね。
なお、細かな知識の学習時には、焦らないようご注意ください。
特に、初めて”保険法”に触れた人は、

え、なんか急に難しくなったんだけど…
と、戸惑うかと思います。
私自身、労災保険法は、何周も何周も繰り返してようやく理解しました。
理解には時間がかかるものだと割り切って、焦らずじっくり取り組みましょう。
また、気をつけたい点として、二次健康診断等給付の存在があります。
二次健康診断等給付は、他の保険給付と少し毛色が違いますよね。

社会復帰促進等事業だったかな…?
と勘違いしがちですが、れっきとした労災保険の保険給付です。
分量が少ないからといって、二次健康診断等給付の学習をおろそかにしてはいけません。
選択式で問われる可能性もありますよ。
まずは保険給付を体系的に覚え、労災保険の全体像をつかんでから、細かな学習に移ってください。
2. ”保険法”の構成を知る
労災保険法の学習で、”保険法” の構成を理解しましょう。
他科目の学習時に役立ちます。
労災保険法で、初めて”保険法”を学ぶ人もいると思います。
労働基準法、労働安全衛生法と学んできて、労災保険法でガラッと雰囲気が変わりますよね。
ここで”保険法”とは、下記の法律を言います。
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 国民健康保険法
- 介護保険法
- 船員保険法 など
上記のとおり。
これらの”保険法”には、法律の構成に共通点があります。
- 保険者、被保険者
- 適用
- 給付額
- 保険給付
- 通則
- 費用負担
- 不服申立て、時効
上記のとおり。
細部に違いはあるものの、労災保険法でも健康保険法でも、この構成はほぼ同じです。
構成さえ知っていれば、法律が変わっても、柔軟に学習できます。
さらには、横断整理学習にも役立ちます。
保険法の構成を覚えれば、横断学習にも応用できます。
労災保険法の学習時は、保険法の構成に意識を向けてください。
3. 事例問題のポイントを押さえる
事例問題のポイントを押さえましょう。
効率よく、事例問題をさばけます。
労災保険法で頻出のテーマが、事例問題です。
事例問題では、問題文の具体的な事例について、業務災害・通勤災害と認められるかが問われます。
この事例問題、押さえるべきポイントは4つだけです。
- ケース
- 理由・根拠
- 業務災害?通勤災害?
- 結論
上記のとおり。単純化した文章で表すと、
事例Aの場合、〇〇のため、業務災害と認められない
こんな感じ。つまり、
ケース | 事例Aの場合、 |
理由・根拠 | 〇〇のため、 |
業務災害?通勤災害? | 業務災害と |
結論 | 認められない |
こういうことですね。
4つのポイントを曖昧にしたまま、事例問題に真正面から取り組むと、

なんだか細かくて難しいなぁ…
と挫折する要因になります。
学習時には、この4つのポイントを分解して、論理の流れを意識しましょう。
ここで論理の流れとは、
ケース → 結論
理由・根拠 → 結論
理由・根拠 → 業務災害?通勤災害?
つまり、
事例Aの場合、→ 認められない
〇〇のため、→ 認められない
〇〇のため、→ 業務災害
上記のとおりです。
理由・根拠の部分は、認定・不認定の違いだけでなく、業務災害・通勤災害の違いのヒントにもなります。
「出張時の取り扱い」や「通勤の逸脱・中断」などの論点を、業務災害か?通勤災害か?確実に仕分けられるように、学んでいきましょう。
事例問題のイヤらしいところは、あまり重要でない細部についても、問題文で克明に記載される点です。
重要点を見極める力を身につけるためにも、それぞれの事例を何回も読み込んでください。
社労士試験、労災保険の勉強法|まとめ

労災保険法は、広義の「社会保険」科目であり、同時に「労働」科目でもあります。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、慣れれば安定して得点できるようになりますよ。
勉強法を工夫しながら粘り強く取り組んで、労災保険法を得意科目にしていきましょう。