
社労士試験、挑戦しようか悩むなぁ。
にしても、合格率低すぎじゃない?
社労士試験の合格率が低い理由って、なにか秘密があるのかな…
こういった疑問に答えます。
- 「社労士試験の特徴」「社労士資格の全般的な特徴」に触れながら、社労士試験の合格率が低い理由を探ります
この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

社労士試験に興味を持つと、その合格率の低さに驚きますよね。
特に、平成27年試験の2.6%という数字を見てしまった人は、

本当に挑戦して良いものか…
と、社労士挑戦を躊躇うのではないでしょうか。
このページでは、社労士試験の合格率が低い理由を、論理的に探ります。
まずは合格率の ”算定式” を手がかりに、合格率について考えていきましょう。
社労士試験の合格率が低い理由

社労士試験の合格率は、下記の式で算出されます。
合格率 = 合格者数 ÷ 受験者数
令和2年 第52回試験のデータを元にすると、
- 受験者数:34,845 人
- 合格者数:2,237 人
- 合格率:6.4 % = 2,237 人 ÷ 34,845 人)
上記のとおり。
「合格率 = 合格者数 ÷ 受験者数」の算定式に基づいて考えると、社労士試験の合格率が低い要因は、次のどちらか(あるいは両方)です。
- 受験者数が多い
- 合格者数が少ない
上記の2要因を、さらに深堀りすると、
- 受験者数が多い
- 人気資格
- 様子見の受験生の存在
- 合格者数が少ない
- 試験が難しい
- 作問側の意図
上記のとおり。
つまり、

図のような関係になりますね。
順に、一つずつ確認していきましょう。
受験者数が多い
前提として、「合格者数 ÷ 受験者数」の分母が大きくなる、つまり受験者数が多くなるにつれて、社労士試験の合格率は低くなります。
「多い・少ない」は主観的な感覚ですが…
まぁ「多い」とした上で、先に進みますね m(_ _)m
では、なぜ社労士試験の受験者数は多いのでしょうか?
理由を考えたら、次の2つが浮かび上がってきました。
- 人気資格
- 様子見の受験生の存在
受験者数が多い理由1. 人気資格
受験者数が多い1つ目の理由は、社労士資格の人気が高いからです。
社労士は、言わずと知れた士業資格。
資格を取れば、独立・開業することができます。
また、一度取得すれば、資格の効果は生涯有効です。
手に職をつけて、会社に縛られずに生きたい人には、社労士合格は切符のようなものですね。
加えて、社労士には ”勤務登録” というユニークな働き方があります。
「社会保険労務士」として活動するには、社会保険労務士会連合会の名簿に ”登録” しなければなりません。
この ”登録” の種類は、
- 開業登録
- 勤務登録
- その他登録
上記の3つ。
”開業” だけでなく、会社員として働きながら、その会社の ”勤務社労士” となって、資格を生かす道も用意されているのです。
このように、自身のキャリアプランを大きく広げられる社労士資格には、根強い人気があります。
人気資格ゆえに、受験者数が多くなっていると考えられますね。
受験者数が多い理由2. 様子見の受験生の存在
社労士受験生の中には、様子見で、とりあえず受験する人もいるのではないでしょうか?
様々な事情から、不合格を前提に受験する人もいるのかなと思います。
「急に仕事が忙しくなって、勉強時間を確保できなかった」
「受験勉強をスタートした時期が遅く、本番に間に合わなかった」
「数年後の合格を見据えて、今年は本試験の雰囲気だけでも味わっておこう」
こんな感じ。
社会保険労務士試験オフィシャルサイトによると、令和2年度試験の受験者数は、34,845人。
この34,845人が、全員、本気で合格を狙っていたか?というと「それはちょっと違うのでは」と私は思っています。

年に1回の、貴重な本試験の機会。
高い受験料も払っちゃったし、後学のために受けておこう
こういった層は、毎年、一定数いるのかなと。
長期スパンでの受験を考えれば、効果的な戦略ですからね。
この ”一定数” の存在が、受験者総数を押し上げて、社労士の合格率の低さにつながっていると考察します。
以上のように、社労士試験の合格率が低い要因として、分母となる受験者数が多いことが挙げられます。
つづいて、分子の ”合格者数” について。
合格者数が少ない
「合格者数 ÷ 受験者数」の分子が小さくなる、つまり合格者数が少なくなるにつれて、合格率は低くなります。
合格者数が少ない理由として考えられるのは、下記の2点。
- 試験が難しい
- 作問側の意図
合格者数が少ない理由1. 試験が難しい
社労士試験の合格者数が少ない1つ目の理由。
ミもフタもなくて恐縮ですが、試験が難しいためです。
合格している私が言うのもアレですが、社労士試験は難関です。
- 科目数が多い(7〜8科目)
- 科目ごと&総合得点に、合格基準点が存在する
- 一発勝負。科目合格制じゃない
- 真夏の悪環境下で1日がかり
- 暗記が大変
- 年金などの法制度が難解
上記のとおり。
完全に「落とし」に来ていますよね…。
特に ”基準点” が厳しくて、合格レベルに達しているであろう受験生たちが、1点だけ足りずに毎年涙をのんでいます。
このように、社労士試験特有の ”難しさ” が、合格者数を少なくしていると考えられます。
合格者数が少ない理由2. 作問側の意図
日本で活躍している社労士さんの総数も、試験の合格者数に影響を与えているかもしれません。
毎年、新たに社労士登録する新人もいれば、登録を抹消する社労士さんもいますよね。
試験問題を作る ”全国社会保険労務士会連合会 試験センター” は、日本における社労士の総数を勘案した上で、作問している可能性があります。

最近、社労士の数が増え気味だな…
今年は試験を難しくして、合格者数を減らそう
こんな感じ(※あくまで想像です)。
とはいえ、合否を分けるのは試験の結果。
「作問側の意図」は、合格者数を少なくしている直接要因とは言いがたいので、受験生の立場ではそこまで意識する必要はないですね。
以上見てきたように、社労士試験の低い合格率は、「受験者数の多さ」や「合格者数の少なさ」が要因となっています。
つづいて、社労士試験に合格するための ”姿勢” について見ていきましょう。
社労士試験の低い合格率を突破するには

社労士試験の合格を目指すのであれば、次の3点に気をつけて受験勉強に臨みましょう。
- 自分に合ったスタイルで学ぶ
- 他人ではなく自分と闘う
- 戦略的に学ぶ
自分に合ったスタイルで学ぶ
自分に合ったスタイルで勉強しましょう。
社労士受験は長期に及びます。
ここで ”スタイル” とは、
- 通学(スクール、予備校)
- 通信教育
上記のどちらか。
通学か、通信か。
人によって学びやすいスタイルは違います。
自分のフィーリングに合った学習スタイルで、長い受験期間を乗り切りましょう。
なお、独学はおすすめしません。
どう考えても非効率なので…
私が受講していた通信講座のレビュー(体験談)は、【元受講生】フォーサイト社労士講座の「口コミ評判」を読んでみたからどうぞ。
他人ではなく自分と闘う
自分自身と闘いましょう。
救済制度(=基準点の事後的な引き下げ)もある社労士試験は、完全な絶対評価試験ではありません。
となると、

ライバルに勝たなきゃ…!
と考えがちですね。
でも個人的には、最後は ”他人” ではなく、”自分” との闘いになるのかなと思っています。
幻のライバルと比べ、一喜一憂しても仕方ありません。
自分自身に意識を向けて、一瞬一瞬を、常に合格のために使いましょう。
戦略的に学ぶ
戦略的に学びましょう。
社労士合格のために重要な力は、継続力です。
大して理解力のない私でも、コツコツ学び続けたら合格できました。
しかし、ただ闇雲に学んでいるだけでは、なかなか合格にたどり着けません。
どうすれば、本試験までの限られた時間を有効活用できるのか?
本気で合格を目指すのであれば、生活そのものを抜本的に変革する勢いで、学習戦略を立ててください。
社労士試験の合格率が低い理由|まとめ

ページの内容をまとめます。
社労士試験の合格率が低い理由は、下図のとおり。

そして、社労士試験の低い合格率を突破するには、
- 自分に合ったスタイルで学ぶ
- 自分自身と闘う
- 戦略的に学ぶ
こういった姿勢が重要になります。
難関ですが、社労士は合格できる資格です。
まずは試験に関する情報を集めて、受験するかどうか決めていきましょう。