
社労士試験、科目がたくさんあるなぁ
どの科目が、どのくらい難しいんだろう?
社労士試験の科目ごとの難易度を、ランキング形式で見てみたい
こういった疑問に答えます。
- 社労士試験の科目別難易度ランキング
- 各科目の難関ポイント・学習アドバイス
〜〜注意点〜〜
◆一人の社労士試験合格者による、主観的な科目別難易度ランキングです。
◆科目は、下記の10科目に分類しています。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収に関する法律
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
◆本試験で問われる、択一式・選択式の科目分類とは異なります。
それでは、10位から順に見ていきましょう!
社労士試験・科目別難易度ランキング

社労士試験の、科目別難易度ランキングを見ていきましょう。
10位:労働安全衛生法
10位は、労働安全衛生法。
出題数が少ない科目です。
試験対策として割く時間は、わりと短め。
一方、選択式でも問われるため、無勉で挑むのは無謀ですね。
難関ポイント
アクセルとブレーキの踏み分け。
どこまで学べばいいか、底なし沼にハマりやすいので注意。
学習のアドバイス
まずは基本論点を押さえましょう。
沼にハマると、キリがありません。深追いは厳禁です。
…と言いつつ、私は本試験の選択式で、安衛法のマニアックな知識問題に正解したおかげで、ギリギリ基準割れを回避できました。どんな学習法が正解なのか、正直、私にもわからないです…(ーー;)
9位:労働保険の保険料の徴収に関する法律
9位は、労働保険徴収法です。
この科目の特徴は、
- 手続法で無味乾燥
- イメージが湧きづらい
- とっつきにくい
こんな感じ。
個人的に全科目中、最も勉強から逃げていた科目でした。
しかし、知識が確立されれば、得点は安定しやすいですよ。
難関ポイント
中核である、概算保険料・確定保険料の制度理解に苦労しました。
得点できるレベルまで、なかなか到達しません。
学習のアドバイス
「一発で覚えよう!」と、欲張らないように気をつけましょう。
3周・5周と繰り返せば、認定決定や増加概算保険料の違いについて、スッと頭に入るタイミングが来ます。イライラしたら椅子から立ち上がり、背伸び・深呼吸しましょう。
8位:労働者災害補償保険法
8位は、労災保険法。
業務災害・通勤災害など、日常をイメージしながら学べるため、ストレスが少ないかなと思います。
難関ポイント
他科目の年金給付などと、知識が混乱しがち。
国民年金・厚生年金保険を学ぶと、「あれ、遺族補償年金と遺族厚生年金。受給者の範囲ってどう違うんだっけ…??」と、こんがらがってしまいます。
学習のアドバイス
まずは労災保険の各給付を、独立して覚えましょう。
国民年金などを学ぶと、労災保険法の知識は一時的に混乱するかもしれません。
しかしそれは、学習が進んでいる証。
落ち着いて、自信を持って横断整理に取り組んでください。
7位:雇用保険法
7位は、雇用保険法。
典型的な暗記科目ですね。
数字の暗記項目が多い特徴があります。
「”失業手当”という給付は存在しない」
「育休・介護で休んだ時の給付金は、雇用保険から支払われる」
など、勉強してみると驚きの連続でした。
難関ポイント
各給付の支給要件。
特に、高年齢雇用継続給付がややこしいですね。
雇用保険は給付の種類が多いので、まずはすべての給付を、体系的に暗唱できるようになりましょう。
学習のアドバイス
数字の暗記は、ゴロ合わせが効果的です。
自作でも良いし、ネット検索でも良いと思います。
ただしネットで調べる際は、法改正前の古い情報に要注意。
6位:社会保険に関する一般常識
6位は、社会保険に関する一般常識。
この順位に「え?もっと難しくない?」と感じる人もいるかも。
10科目の中で最後に学んだため、この頃にはすでに「社労士受験のクセ」をつかんでいたのかもしれません。
たしかに範囲は幅広いのですが、問われる法律数は限られていて、対策しやすい印象があります。
難関ポイント
費用負担。
「国民健康保険法」「高齢者医療確保」「介護保険法」「児童手当法」など複数の法律で、国・都道府県・市町村別に正確な数字を覚えることに、難儀しました。
学習のアドバイス
費用負担は、表にまとめて横断的に暗記すると良いですね。
具体的な数字を覚える前に、表の大枠(カタチ)を覚えてしまえばラク。
過去問・テキストをセットで、問われる論点を中心に学んでいきましょう。
ちょっと休憩
ここで、ちょっとブレイクタイム。
社労士受験では、横断整理学習が大切です。
しかし、学習を始めたばかりの人にとっては、「横断整理って何?いつからやればいいの?」とイメージがわきませんよね…(^_^;)
複数の科目を学ぶようになったら、科目をまたいだ共通点・似ている論点・真逆の論点などを、並べて覚える意識を持ちましょう。それこそ、横断整理学習です。
そして全科目の学習を終えたら、本格的に横断整理学習に取り組みます。
時期としては、おおよそ4月以降になるかと思います。
では、科目別難易度ランキングに戻りましょう!
5位:労働基準法
5位は、労働基準法。
一番とっつきやすい、勉強していて楽しい科目ですね。
しかし「なんとなく」理解できても、「正確に」理解するのは難しいもの。
一問一問、確実に得点できるまでに、わりと手こずります。
難関ポイント
変形労働時間・みなし労働時間の知識の、正確なアウトプット。
学習のアドバイス
「この論点はもう分かってる」という思い込みを疑って、理解が深まるまで、じっくり取り組みましょう。
4位:厚生年金保険法
4位は、厚生年金保険法。
年金科目の一つです。国民年金を学んだ後じゃないと、まったく理解できません。
また健康保険と重なるルールもあるため、「覚えなくていい論点」は積極的に省略したいところ。
難関ポイント
雇用保険法との調整に関するルール。
雇用保険法、厚生年金保険法それぞれの給付制度について、正確に理解していなければなりません。
学習のアドバイス
健康保険法・国民年金法の学習が深まるほど、厚生年金保険法をスムーズに理解できます。
厚生年金の学習に行き詰まったら、他の科目で一息入れると良いかも。
3位:国民年金法
3位は、国民年金法。
4位につづき、もう一つの年金科目です。
給付に関する論点だけでなく、保険料や届出ルールなど、ボリューム満点です。
厚生年金保険法との、細かな違いを問うてくる凶悪さもあります。
難関ポイント
免除や追納など、保険料納付に関する細かなルール。
細かすぎて(受験生に)伝わらない。
学習のアドバイス
じっくり、じっくり学びましょう。
「急がば回れ」です。焦ったら、余計に混乱してしまいます。
年金科目を学ぶ際は、自分が今「国民年金を学んでいるのか?」「厚生年金保険を学んでいるのか?」を、厳しく区別しましょう。
2位:健康保険法
2位は、健康保険法。
生活に身近な法律なので、とっつきやすいですね。
しかし社労士試験では、専門性の高い知識を要求されます。
- 適用・被保険者
- 標準報酬
- 給付
- 高額療養費
- 保険料
健康保険法の対策上、どのテーマも例外なく重要です。
健康保険法の選択式対策は、困難を極めます。
難関ポイント
膨大かつ細かな知識のカバー。
覚えても覚えても、まだ覚えなければならない知識が山積しています。
学習のアドバイス
論点に優先順位をつけて、くり返し学びましょう。
いきなり全て覚えようと思うと、やる気を削がれます。
はじめから完璧を目指さなくても、大丈夫です。
「いま解けなくても、本番で解ければOK」とおおらかに考え、繰り返し学習しましょう。
1位:労務管理その他の労働に関する一般常識
そして1位は、労務管理その他の労働に関する一般常識です。
すべての受験生を苦しめる元凶。
10位〜2位のランキングに個人差はあっても、「1位:労務管理その他の労働に関する一般常識」は全受験生の共通認識ではないでしょうか。
万全の対策は不可能です。
もはや運ゲーですが、それでも運に頼らない精神力が試されます。
難関ポイント
学習のモチベーション。
「はたしてこの論点は、勉強していて本当に意味があるのか?」と不安な気持ちで学び続ける日々は、非常に苦しいですね…。
学習のアドバイス
教材と自分を信じましょう。
「アレもコレも」ではなく、「確実な知識」を一つずつ増やしていきましょう。
労働一般常識に関して私がアドバイスできることは、このくらいです。すみません。m(_ _)m
社労士試験・科目別難易度ランキング|まとめ

あらためて、科目別難易度ランキングを表で見てみましょう。
1位 | 労務管理その他の労働に関する一般常識 |
2位 | 健康保険法 |
3位 | 国民年金法 |
4位 | 厚生年金保険法 |
5位 | 労働基準法 |
6位 | 社会保険に関する一般常識 |
7位 | 雇用保険法 |
8位 | 労働者災害補償保険法 |
9位 | 労働保険の保険料の徴収に関する法律 |
10位 | 労働安全衛生法 |
こう見ると、

労働科目はカンタン!
社会保険科目は難しい!
といった印象を持つかもしれません。
私は理解力が残念なので、いわゆる”理解系”の年金科目などが、上位に入ってきました。
それでは、下位の「労働安全衛生法」や「労働保険徴収法」は、カンタンでしょうか?
いいえ、決してカンタンではありません。
安衛法・徴収法は、出題数が少ないゆえに、どれだけ学べば良いものかコントロールが難しい面があります。これは他のメイン科目と比べて、種類の違う難しさかもしれないですね。
冒頭でもお伝えしたように、このランキングはあくまで私の受験経験に基づいた、主観的なものです。
受験勉強では各科目の特徴を押さえて、科目ごとに頭を切り替えながら取り組んでください。