【難しすぎ】社労士試験の「独特な」難しさ/挑戦して失ったもの

社労士受験、挑戦するか悩み中。
とりあえず、難易度はどんな感じだろう?
合格率とか、何がどんな風に難しいのか、具体的に知りたいな。

こういった疑問に答えます。

このページの内容
  • 社労士試験の難易度・合格率を、他の資格と比較
  • 社労士試験の独特な難しさについて
  • 社労士受験に挑戦して得たもの・失ったもの

この記事を書いている私は、平成最後の社会保険労務士試験に合格しています。

社会保険労務士試験の合格証書

2021年には、事務指定講習を修了しました(※登録はしていません)。

社会保険労務士事務指定講習の修了証

早速ですが、社労士試験の難易度を、他の資格と比較してみましょう。
「社労士」と比較されやすい、

  • 行政書士
  • 税理士
  • 宅建士
  • 中小企業診断士

上記の資格と比べます。

各資格の難易度

難しい 税理士 > 中小企業診断士 > 社労士 > 行政書士 > 宅建士 易しい

あくまで一般論ですが、それぞれの資格取得の難易度は、こんな感じだと言われています。
…一行で終わってしまって申し訳ないので、合格率も見ていきましょう。

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難しすぎ?社労士試験の難易度について

先述の5つの資格について、令和2年(2020年)度試験の合格率を、一覧表にまとめました。

資格合格率参考リンク
税理士20.3%
(一部科目合格者含む)
国税庁 令和2年度(第70回)税理士試験結果
中小企業診断士18.4%
(第2次試験合格率)
中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移
社会保険労務士6.4%第52回社会保険労務士試験の合格者発表
行政書士10.7%令和2年度行政書士試験/都道府県別試験結果一覧
宅地建物取引士17.6%令和2年度宅地建物取引士資格試験(10 月実施分)結果の概要

上表のとおり。

合格率と難易度は、必ずしも結びつくものではありません。
この事実は、

医師国家試験の合格率:91.4%
参考:第115回医師国家試験の合格発表について

上記の数字が、全てを物語っていますよね。

資格の難易度や合格率をアレコレと比較しても、意味はありません
「科目合格制の有無」や「受験資格の相違」など、資格によって試験のシステムは異なりますから。

また合格には、自分の興味・関心適性も関わってきます。
読んでいる方も、この辺りはすでにお気づきかと。

…なんて言いながら、私も社労士受験に挑戦するか悩んでいた頃(2016年の11月頃)は、

  • 「社会保険労務士 難易度」
  • 「社会保険労務士 偏差値」
  • 「資格 難易度 ランキング」

こういったキーワードで、検索しまくっていました。笑
無意味だと分かっていても、やっぱり気になりますよね。

おそらく、あなたが気になるのは、

で、私でも合格できるの?

この一点ではないでしょうか。

実感として思うのは、社労士は、学習を継続すれば取れる資格だということです。
決して「無理ゲー」ではありません。

ただ、その「継続」が難しいんですよね…。

次に、社労士試験の独特の難しさについて言及していきます。

社労士試験の難しさ

社労士試験には、独特の難しさがあります。
個人的に、3つの難しさがあると思っていて、

  1. 真夏の悪環境下で1日がかり
  2. 科目数が多い(7〜8科目)
  3. 科目ごとに存在する合格基準点

上記のとおりです。

それぞれ、具体的に見ていきます。

1. 真夏の悪環境下で1日がかり

社労士試験は例年、8月下旬の日曜日に実施されます。
試験時間は、4時間50分。

午前:1時間20分
午後:3時間30分

上記のスケジュールで、1日がかりで行われます。

8月下旬の暑い時期。
朝、試験会場に行くだけでも、わりと体力を消耗します…。

焼けるような日射しを体に受けながら駅へ向かい、電車内ではクーラーの人工的な冷風を浴びる。最寄り駅に着いてから再び、ジリジリする日射しの下を、てくてく歩いていく。会場に到着しても、開場時刻までは、付近で待機。

試験当日の朝は、こんな感じです。

そして試験会場では、ガンガンにクーラーが効いています
元々クーラーが苦手な私は、体温調節用のカーディガンが手放せませんでした。

4時間50分の長丁場。
屋内/屋外の気温差が激しい、夏の過酷な環境。

意外に感じるかもしれませんが、社労士試験では ”体力” が重要となります。

2. 科目数が多い(7〜8科目)

社労士試験の難しさとして、学習範囲が幅広い点が挙げられます。
本番では、

  • 択一式
  • 選択式

上記2種類の形式で出題されます。

択一式で問われるのは、次の7科目。

択一式の7科目
  1. 労働基準法・労働安全衛生法
  2. 労働者災害補償保険法・労働保険の保険料の徴収等に関する法律
  3. 雇用保険法・労働保険の保険料の徴収等に関する法律
  4. 一般常識
  5. 健康保険法
  6. 厚生年金保険法
  7. 国民年金法

漢字だらけで、すでに息苦しくなりますね。(;´Д`)

選択式では、

選択式の8科目
  1. 労働基準法・労働安全衛生法
  2. 労働者災害補償保険法
  3. 雇用保険法
  4. 労務管理その他の労働に関する一般常識
  5. 社会保険に関する一般常識
  6. 健康保険法
  7. 厚生年金保険法
  8. 国民年金法

上記の8科目が問われます。
択一式と比べると、「一般常識」が2科目に分割されて、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律(略して”徴収法”)」がなくなっていますね。

社会保険労務士は、労働・社会保険分野のスペシャリスト。
一言で「労働・社会保険」といっても、その内容は多岐にわたります。

そして(受験生としては厄介なことに)これらの法律はお互いに、密接に関連しあっています。

そのため、

  • 「労働者災害補償保険法」を理解するには、「労働基準法」を学ばなければならない
  • 「徴収法」を理解するには、「労働者災害補償保険法」「雇用保険法」を理解しなければならない
  • 「厚生年金保険法」を理解するには、「国民年金法」「健康保険法」も理解していなければならない
  • 一般常識の「国民健康保険法」を理解するには、「健康保険法」を理解しなければならない

上記のように、理解度を全体的に底上げしないと、合格はできません。
勉強開始直後は、労働・社会保険システムの全体像がなかなか見えないので、わりと苦行です。。

以上のように、社労士試験が難しい要因として、試験範囲の幅広さが挙げられます。

3. 科目ごとに存在する合格基準点

社労士試験では、先ほど説明した7〜8科目について、科目ごとに合格基準点(=ボーダーライン)が設けられています。

さらに言うと、「択一式」「選択式」の出題形式によっても、ボーダーラインは別々です。
つまり、クリアすべきボーダーの数は全部で、

  • 択一式の科目ごと:7つ
  • 選択式の科目ごと:8つ
  • 択一式の総得点:1つ
  • 選択式の総得点:1つ

上記の17個ですね。

この合格基準点が、社労士試験最大の壁です。

税理士試験の受験経験がある人は、

お、社労士試験も科目が多いな。
じゃあ今年は、5科目の合格を狙って勉強するか

このように戦略を立てるかもしれません。

しかし社労士試験には、科目合格制がありません。
たとえ前年に5科目でボーダーをクリアしても、翌年への合格持ち越しは不可。

全科目・全ボーダーが、1年に1回きりの、一発勝負です。鬼かよ。

今になって思うのは、「択一式のボーダー」と「総得点のボーダー」のクリアは、そこまで大変ではなかったかなと。コツコツ学んでいけば、自然と合格点を確保できると思います。

問題は、「選択式の、科目ごとのボーダー」です。

選択式の配点は、各科目5点 × 8科目 = 計40点満点。
原則として、科目ごとのボーダーラインは ”3点” なのですが…
”3点” 取れる受験生が少なすぎて、毎年のようにボーダーラインの引き下げ措置(=”救済措置”)が採られています。

令和2年度試験では、

  • 労務管理その他の労働に関する一般常識
  • 社会保険に関する一般常識
  • 健康保険法

上記の3科目で、ボーダーラインが ”2点” に引き下げられました。
参考:第52回(令和2年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答

難しいだけなら良いんです。
不合格でも気持ちを切り替えて、「来年こそは…!」と頑張れますから。

しかし選択式、特に一般常識科目の選択式の問題は、出題範囲が広すぎます。
勉強量でカバーできるレベルじゃありません。

私が合格できたのも、単に運が良かったからです。

もちろん、それなりに勉強しました。
「運が良かった」の言葉には、謙遜・自負も含んでいます。
それでも、本当に「運が良かった」のです。
これはおそらく、多くの合格者が感じているんじゃないかな…。

繰り返しになりますが、社労士試験は学習を「継続」すれば合格できます。
しかし、選択式で1点届かず、「…よし!また来年だ!」と気持ちを切り替えるには、相当の精神力が必要となります。その意味で、「継続」が非常に難しい試験です。

以上のように、科目ごとに立ちふさがる合格基準点(=ボーダーライン)が、社労士試験の難易度を飛躍的に高めています。

社労士試験の独特の難しさは、こんな感じですね。
次に、社労士受験に挑戦した雑感を、ツラツラと語っていきます。

社労士試験に挑戦して

社労士受験に挑戦して、「得たもの」「失ったもの」の両方がありました。
「得たもの」は、様々な制度の存在を知ったことです。

様々な制度の存在を知る

苦しいとき・困ったときに、正式な手続きを踏めば、国や自治体は助けてくれるのだと学びました。

突然ですが、あなたは「教育訓練給付金」をご存知でしょうか?

「教育訓練給付金」は、雇用保険の給付の一つです。
資格取得などにかかる費用の一部は、雇用保険から支給される可能性があります。

私は社労士の勉強をするまで、「教育訓練給付金」を全く知りませんでした。
というか「雇用保険」自体、よく分かっていませんでした…。

雇用保険は、その目的の一つに、労働者の能力開発を掲げています。

毎月よくわからないまま、お給料から保険料が差っ引かれている人もいるのではないでしょうか?
納めた保険料によって、どんなリターンを受けられるのか?これを知らなければ、「雇用保険=悪」という誤った認識を抱いてしまっても、ムリはありません。

けれど、納めた保険料の使われ方を調べてみると、自分にとってプラスになる制度って、実はたくさん存在しています

育児休業中の所得手当(育児休業給付金)も、雇用保険のお財布で賄われています。
税金か何かから支給されると思っていたので、これを知った時も驚きました。

保険料を納めていれば、制度を利用する正当な権利を有しているわけですから。使える制度を利用しないなんて、もったいないですよね。

たとえば社労士受験に挑戦する場合にも、通信講座などの受講によって、「教育訓練給付金」をもらえるケースがあります。講座に申し込む前には、要チェックです。

>>【元受講生】フォーサイト社労士講座の「口コミ評判」を読んでみた

制度そのものを知らなければ、「制度を利用しよう」という発想は出てきません。

最近私は、PayPayなどのお得なサービスを、積極的に利用するようになりました。
マイナポイント5,000円分も、きっちりゲットしましたよ。様子を見ながら、第2弾ももらう予定。(-ω-)

これらも社労士受験を通じて、「様々な制度が存在する事実」を知ったおかげかなと思っています。
以前よりも、色んな ”お得” を享受していますね。

失ったもの

社労士試験に挑戦して失ったものは、20代の貴重な時間です。

私が社労士受験に挑戦したのは、25〜26歳の頃でした。

若さみなぎる20代の青年期。
その貴重な時間を、私は机に向かって過ごしました。

受験以外は脇目も振らず、ひたすら勉強していました。

日常生活のイベントと、上手いこと折り合いを付けられれば良かったのですが…
私は上手いことできるような、器用な人間ではないので。
友人との親交を温めるような時間は、捻出できませんでしたね。

しかし、後悔は全くありません。

難しすぎ?社労士試験の難易度について|まとめ

漫然と、話題があっちこっちに飛んでしまいました。m(_ _)m

先述したとおり、社労士は、学習を「継続」すれば合格できる資格です。
合格のために真っ先にすべきは、「継続できる生活の仕組み」を築き上げることだと思います。

「資格コレクター」なんて揶揄する言葉がありますが、別に立派な大義がなくても、資格取得に挑戦したって構いません。

趣味とかないな…
「資格取得」が趣味ってわけじゃないけど、
他にやることないし、挑戦してみようかな…

私は全然アリだと思います。

何をしても、批判的な人は現れるでしょう。
もし誰かに批判されたら、それはあなたが「前向きに行動している証」です。

同時に、応援してくれる人も、必ず現れます。
全力で取り組む人の姿に、周りの人々は心を動かされますから。

ただし社労士合格までは、過酷な道のりです。
相当な時間・労力を捧げる必要があるので、そこは覚悟しておきましょう。

「人生の貴重な時間を割いてでもチャレンジすべきか?」
挑戦する目的をハッキリさせてから、受験のスタートを切ってください。

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