
CloudReadyって何?
無料で使えるって聞いたけど本当?
そもそも、何ができるの?
実際に使った感想や注意点を教えてください
こういった疑問に答えます。
- CloudReadyとは何か
- CloudReadyでできること・できないこと
- CloudReadyをUSBブートで使ってみて良かった点・残念な点
- CloudReady導入時の注意点
CloudReadyとは

CloudReadyとは、Neverware社が提供するパソコン用OSです。
オープンソースのOSである、Chromium OSをベースに開発されています。
ちなみに、Google社のノートパソコン・Chromebookに使われているChrome OSも、ベースとなっているのはChromium OSです。
ChromeにChromium…名称がややこしいので以上を図に表すと、次のように整理できます。

なんで無料なの?
CloudReadyは、個人利用のHome Editionであれば、無料で自由に使えます。
なぜ無料で使えるのか、不思議ですよね。
答えは、IT業界のボランティア精神にあります。
先ほどCloudReadyのベース・Chromium OSは「オープンソース」と言いました。
オープンソースは「OSのプログラム・ソースコードが公開(=オープンに)されている」と理解しましょう。
IT業界では昔から、自分が持っている知識や技術を、惜しみなく公開・共有する伝統が根付いています。
オープンソースのOSはその典型例で、世界中の有志達によって日々改良が加えられ、進化し続けているのです。
LinuxもオープンソースのOSですね。
Google社やNeverware社も例に漏れず、「無償でみんなで良くしようぜ!」の考え方を持っています。
ボランディア精神にあふれた、IT業界の素敵な伝統のおかげで、私たちは無料でCloudReadyを利用できるのです。
CloudReadyでできること・できないこと

CloudReadyは無料だから、できることは限られるのでは?
と思われるかもしれません。
CloudReadyでできること・できないことは、下記の通りです。
- ネット検索
- YouTube視聴
- Chrome拡張機能の追加 など
- パソコン本体にインストールするソフトウェア
- Androidアプリ
まずCloudReadyでできることは、「Chromeブラウザでできることと同じ」と考えましょう。
ネット検索やYouTube動画の視聴など、基本的なブラウジングは問題なくこなせます。
また、Chromeブラウザを使いやすくするChrome拡張機能も、利用可能です。
パソコンを起動してすぐにChromeブラウザを使えるので、サッと調べ物をしたいときに重宝します。
反対にできないことは、パソコン本体にインストールする、いわゆるスタンドアロン型のソフトです。
CloudReadyの元であるChromium OSは、ブラウザ上での利用を前提に開発された画期的なOSです。
WindowsやmacOSとは、根本的に思想が異なります。
例えば、ExcelやEvernoteなどのソフトウェアは、CloudReadyのパソコンにインストールできません。
代わりにChromeブラウザ上、つまりインターネット上でできる類似サービスを探す必要があります。
Excelであれば Googleスプレッドシート、Evernoteであれば Evernote web 辺りが候補ですね。
Excelなどを使えないのは「無料だから」ではなく、「そもそもChromium OSがそういう作りだから」と言ったほうが適切かもしれません。
またChromebookと似ているのでAndroidアプリも使えそうですが、残念ながらCloudReadyでAndroidアプリは利用できません。
CloudReadyでできることは、ネット検索、YouTube視聴、Chrome拡張機能の追加など、Chromeブラウザでできること全般と考えましょう。
CloudReadyを使ってみた感想

私も実際にCloudReadyを使っています。
使用環境は下記の通りです。
- 2011年に購入した富士通・LIFEBOOK
- Windows7
- CPU:core-i5
- メモリ:4GB
- USB2.0
- Wi-Fi:2.4Ghz
- 備考:2020年2月にWindowsを起動できなくなり、文鎮化。
- 2016年頃に購入したNEC・Hybrid Frista
- Windows10
- CPU:Celeron
- メモリ:4GB
- USB3.0
- Wi-Fi:5Ghz
- 備考:およそ2年前からディスプレイが不鮮明になり、文鎮化。
いずれも8GBのUSBを使って、USBブート(=USBで起動)しました。
パソコン本体にはCloudReadyをインストールしていません。
結論から言うと、感動しました。
2台とも無事に起動して、Chromebook同様に使えました。
CloudReadyの良かった点をまとめると、下記の通り。
- Chromebookと同じ感覚で使える
- 起動爆速
- 操作サクサク
- Chrome拡張機能をインストールできた
- YouTube視聴も問題なし
無料でこれだけ使えるのは非常にありがたいですね。
とはいえ、残念な点もありまして、下記の通りです。
- パソコンのローカルストレージにアクセスできない
- シャットダウンに時間がかかる
- 時々落ちる
パソコン本体(ローカルストレージ)に、写真や音楽などのデータがたくさん詰まっているのですが、CloudReadyではそのデータにはアクセスできませんでした。
アクセスできないのは、USBブートだからでしょうか?
ともあれ、起動できなくなったパソコンのローカルストレージにアクセスしたい場合は、Linux(Ubuntuなど)でUSBブートして対処しようと思います。
それから、シャットダウンにちょっと時間がかかります。
時間がかかると言っても1〜2分程度ですけれど。
起動や通常操作があまりにもサクサクなので、1〜2分でも「時間がかかる」と感じてしまいます。
なお、起動は30秒もかかりません。素晴らしいですね。
また、まれに電源が落ちます。
これはもう仕方ないですね。8GBのUSBがパソコン本体になっているわけですから。
シャットダウンに時間がかかるのも、まれに電源が落ちるのも、USBブートでなければ改善されるかもしれません。
ただ、仮に急に落ちたとしても、再起動後に「直前に開いていたタブを復旧しますか?」とChromeブラウザがサポートしてくれるので、それほどストレスはありません。
データもクラウド保存が前提なので、安心です。
以上をまとめると、CloudReadyをUSBブートで使った感想を一言で表すなら、感動です。
ホコリをかぶっていた2台のパソコンが、無料で、しかも手間もかからず復活したので、本当にありがたい。
残念な点が多少あっても許容範囲というか、これ以上望むのは強欲かなと思いました。
CloudReadyのインストールについて

私はCloudReadyをUSBブートで使用しています。
CloudReadyのライブUSBメモリの作り方は、下記のページをご覧ください。
実際の操作画像多めで、わかりやすく解説しています。
上のリンク先では、Chromebookを使った作成方法をご紹介しています。
Windowsパソコンじゃないと大変かな?と心配でしたが、Chromebookでもカンタンに作成できますよ。
インストール時の注意点
CloudReadyは手軽に試せますが、注意点が2つあります。
1つ目は、USB内のデータが消えてしまう点。
USBブートにせよ、パソコンにインストールするにせよ、CloudReadyを使おうと思ったらUSBが必要です。
USBにCloudReadyを入れる時、そのUSBは初期化され、保存データは消えてしまいます。
大事なデータが保存されているUSBにCloudReadyを入れる場合は、あらかじめUSB内のデータを別の媒体に退避しておきましょう。
2つ目は、パソコン内のデータが消えてしまう点。
パソコン本体にCloudReadyをインストールする場合、パソコン本体(ローカルストレージ)のデータは全て消えてしまいます。
パソコン本体に大事なデータが保存されている場合は、パソコン本体のデータを退避してからインストールするようにしましょう。
なおUSBブートであれば、パソコン本体に保存されているデータに支障はありません。
私はパソコン本体のデータをまだ消したくないので、CloudReadyをパソコン本体にインストールせず、USBブートでの利用にとどめています。
これからCloudReadyを試してみようとしている人は、大事なデータが消えないよう注意してくださいね。
CloudReadyで古いパソコンを生き返らせよう

ページの内容をまとめます。
- CloudReadyは、オープンソースのChromium OSをベースとしたパソコン用OS
- 個人利用であれば無料で入手できる
- 低スペックPCでもサクサク動く
- Chromebookに似ているので、Chromebook購入前に無料で試すのもアリ
- 動かなくなった古いパソコンを、再活用できる
- USB、パソコン本体内のデータを誤って消去しないよう注意
「パソコンはお金を払って買うのが当たり前」と思っていた私は、無料のCloudReadyを実際に使って衝撃を受けました。
繰り返しになり恐縮ですが、古いパソコンを無料で再び使えるようになるなんて…技術の進歩はすごいですね。
CloudReadyは、Chromebookに興味がある人、古いパソコンを復活させたい人に、特にオススメです。
CloudReadyを試してみて、ぜひあなたもこの感動を味わってください。